第16話


 「ねぇ、粉。」


「はい、なんっすか?」


「最近、タカシ来ないね。」


「タカシね、最近好きな人のために頑張ってんだって」


「へぇー」


「・・・タカシなんかジムに通って、好きな人を守れるようになりたいんだって」


「へぇー」


「タカシ、バイトして、高級なドッグフードをあげられるようになりたいんだって」


「それ、私にもお裾分けないかな?」


「お姉ちゃんさ、」


「鈍感って言われない?」


「言われない。だってその好きな人が私だって知ってるから」


「じゃあ、さっきまで軽い返事は照れ隠し??」


「違うよ、素」


「お姉ちゃんが付き合うのは私も嫌だけど、流石になぁ」

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