第12話

 「とも、おかえり」


「・・・ごめんなさいご迷惑おかけしました。」


「ごめんね、友もしかしたら私が食べたのが悪かったのかも」


「いえ、いえ!!それは関係ないと聞きました!!」


「そうなの??」


「はい!」


「よかった。本当にそれが心配だった」


「全部俺が病弱体質な所為です」


「それは、私達が虐めたからよ」


「・・・そんなことは」


「そうでしょ、明らかにあの日からだったし」


「た・・・たしか」


友の顔がやばいことになっている。


 「と、とりあえずそのことはいいから授業の準備をしましょう 」

 とりあえず誤魔化した。いいからってどの口が言ってるんだろう。


 友は最近授業の成績がよくないらしい。先生から屋上の件と、入院が続いて、勉強は頑張ってることは知られているから、テスト点の関係なく成績に考慮するとは言っていたが、とりあえず大学を目指すならテスト点がいい方が良いはずだ。


 「友、私が勉強教えてあげるよ」


「・・・、!だ・・・大丈夫です。」


 断られるとは、そんな気はしてたけどショック。


「でも、ほら私も友に勉強教えたいなって」


「い・・・いえ、それで低い点数取ったら、あっいえ、決して貴方が教え方が悪いとかじゃなくて、俺が物を覚えが余りにも悪いから」


なるほどそれで後でめちゃくちゃ怒られると、確かに今までの私なら絶対にそうしてな。


 「別に低い点数とっても良いわよ。二人で勉強頑張ろうよ」


「いい、え、その俺なんかのために時間を取らせる為には」


友はきっと私と二人きりの時間が嫌なのだろう。前はそんな時間沢山あったのに、


 あー自業自得とはいえ、辛い!!


ーーーーー

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る