第4話

 甘寧視点


 義母は亡くなってしまった。私の父親は逮捕された。


 その後、力が抜けた優は限界が来て倒れてしまった。


 事情聴取があった、私は全てを話した。


 そして、当然優の体のこともあり、私は学校で暴力を振るったことも話した。


 警察は暴力を振るった虐めも問題に含めていたが、優がそれを拒んだ。


「甘寧さんは家族だから、お願いします」と、


ーーーーーーー


 そして、私達は亡くなった義母の祖父と祖母に引き取られることになった。


 優が来ることには大歓迎だったが、私にはそんなことはなかった。娘を殺害した男の娘だから当然だと思ってた。


 優がまた私の為に必死に祖父と祖母に言ってくれた


 でも、私が虐めをしていたことも嫌う理由だったみたい。


 電話で義母から相談されたことがあったらしい。そして、今回の件でその話を学校側から先に謝罪されたようだ。


 義母にはバレていた。いや多分そうかも知しれないと思われていた。女の、母親の勘のなのかもしれない。


 だからあの時、



ーーーーーーーー


 夜 

 布団の中の甘寧


 もし、あの時父親にもっと別な言葉をかけていたら、義母は生きてたし、優をあんな悲しませることもなかった。


 私は優に庇ってもらった。何度もあの時だって私を抱きしめて守ろうとしてくれた。何度も暴力を受けて、・・・ぅ、


 私はあんな男と一緒のことをしてたの??


 私はずっとあーやって平気な顔して笑って、



あの日も、


【 だから、出来るなら少しだけ優のことを支えてほしいな】

 

 ってお義母さんに言われたのに、・・・言われたのに、約束したのに、




「ごめんなさい。お義母さん、約束破ってごめんなさい。お義母さんを殺してごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい約束守れなくてごめんなさい」


そして、私が同じ言葉を繰り返すと、いつの間にか体が優しく包まれていた。


 「・・・優?」


「ごめん、甘寧さん。今日は今日だけは。こうさせて」


 暖かい、凄く暖かい


 「私なんだよ。私の所為なんだよ」


「・・・」


「私が悪いんだよ、大切な人を奪ったのも私所為なんだよ」


「・・・」


「全部私が、私が」


「・・・」


私が悪いのに、優は私をより強く優しく抱きしめる。


「大丈夫、俺は許すよ。・・・俺は兄だから。」


「・・っ・・・っ・・・お兄ちゃん」

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いじめっ子が再婚で義妹になったのだが、義妹の父親が俺の母親を殺害した。 激 辛 @eaconnn

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