第6話
過去編 小学校
お父さんは子どもを庇って亡くなった。
「お兄ちゃん・・・今日も一緒に寝ていい?」
「いいよ、俺も一緒に寝たかった。」
妹はお父さんが居なくなって、前より俺に甘えるようになった。
妹は俺にとって一番大切な存在だから、可能な限り悲しませたくない。
お母さんは家に帰るといつも疲れた顔をする。そして直ぐに寝る日がたまにある。
お母さんは仕事で頑張ってくれてることは知ってるから仕方ないと思う。だけど俺は寂しいし、何より妹が寂しそうな顔をしてる。
そこで俺は掃除をして、少しずつ料理の勉強をした。
「これ?季節が作ったの?」
「うん!!目玉焼き!!食べて食べて!!」
「・・・お・・・美味しい!!」
「お兄ちゃん料理出来るの??」
「まだ目玉焼きだけだけどね。」
家族に褒められて俺は嬉しかった。
それから俺は少しずつ家庭のことを手伝い、お母さんに楽をさせていた。
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それから3年くらい経った頃、
ある日、俺の大切なお父さんの形見のカードケースが無くなっていた。
「ねぇ、春?」
「何?お兄ちゃん??」
「カードケース知らない??」
「・・・し・・・しらない」
俺は妹の顔を見て分かる。明らかに誤魔化している顔だ。
でもこれは俺に対しての初めてのイタズラだった。
それから妹はたまにイタズラをするようになった。俺は何でするかは最初は分からなかったが、俺が構ってあげられる時間が少なくなっていることに気付いた。
そして、ちょうどそれが分かった時、母がカードゲームの話題を出す。
「そういえば、カードケースどっかやっちゃったの?」
後ろで妹はドキって顔をしてる。
「うん」
「あれ、お父さんから貰った大切な形見だって言ってたじゃん」
「えっ、」
「季節のことだから、どっか待ってて無いだろうし。家中今度探してみようか」
「・・・そうだね」
そして、後ろで泣いている妹が居て、
構って欲しくて捨ててしまったことを白状をした。
「怒らないのお兄ちゃん?」
「うん。俺ともっと一緒にいて欲しくしたなら、仕方ないよ。むしろそれが理由ならもっとしていいよ。」
そして、ちょうどお母さんから再婚の話があり、その後イタズラは義姉妹達と協力してするようになった。
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