第5話


 「おかえりさない。どこに行ってたの?」


前は一度もそんなことを俺に聞いたことない癖に


 「バイト先」


「そっ」


 「俺の引っ越しの荷物どこ??」


「これ」


「ありがとう」



「季節おかえり、重要な話があるんだけど」


「俺とりあえず風呂入りたいから、後でな」


 俺も生活費について話がしたい。



ーーーーーーーー


 お風呂から上がり、俺は家の人に聞いて回る。


 「線香あげていい?」


「いいよ、お兄ちゃん。別に煙の匂いとか気にしないから」


義姉妹達にも許可を貰う。


 二人のお父さんに一人暮らし中の生活と新しい学校の報告をした。

 


 「季節じゃあ話をしていい」


「あぁ俺もある」


「じゃあ先に私から言うとね、季節明日から元の学校に戻って来て」


「はぁ??何を言ってんだ??」


「今の学校とはここからだと距離があるし、娘達も同じ学校が良いって」


「いやいやいやいや!ふざけんな!!俺は転校なんてしないぞ」


「もう手続きは終わってる」


「モンスターペアレントがぁ」


「ごめんなさいね。季節を私達が追い出しておいて」


 まさかそれを自分で言うとは。怒りの前に呆れが来てしまった。


 「俺は遠くでいいから今の学校に戻る」


「いや、もう転校の手続きは済んでるからそれは無理よ」


「・・・っ!!」


またあの学校に行かないといけないのかよ。


 ックソ


 「それで、季節の話って何?」


「生活費のこと」


「そんなの要らないわよ」


 「いや払う!もう俺はこの家に頼りたくない」


「そんなの、むしろそれくらいは償わせてよ」


「じゃあ、体でも壊すか?今は一人でこの家の金を払ってるんだから」


「……っそうね。娘達のこともあるし」

 


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