第3話 進化


 朝から鐘の音で起きると、顔を洗って朝食を食いに下に行く。

「昨日は晩飯食べに来なかったね?」

 女将さんに言われたが。

「昨日は疲れて寝てしまいました」

 シャワーを浴びた後ベットに横になってたら寝てたのだ。相当疲れていたのだろう。

「なら朝はしっかり食べないとね!」

 ドカッと置かれた料理は、シチューにサラダ、パンだったが、おかわりもできるらしくシチューをおかわりしてしまった。

「ご馳走様でした!」

「で?今日はどうすんだい?」

「あ、今日も泊まります!」

「毎度!料金は一緒だよ」

 銀貨四枚を払い、部屋に行く。

 残りは銀貨五十七枚と銅貨二十四枚。

 これだけあれば買い物できるだろ。


 部屋を出て買い物に行く。

 先ずは下着や服、その後防具に武器屋で革鎧とショートソードを買う。その他歯ブラシやブーツも揃えたら銀貨十七枚程になってしまった。


 まだ日は高い!いまからでも兎丸と一緒にウサギ肉を獲りに行く。

 宿に帰り着替えると冒険者っぽくなっている。

「なんかワクワクしてきたぞ」

 部屋を出て門を抜けると草原が広がっている。

 兎丸を呼び出し、仲間を呼んでもらう。

「キュッ?」

「はっ!」

 出てきたところを剣で斬り倒す。

「やった!」

 カード化してまた剣を振り回してホーンラビットを倒していると奥から走る音が聞こえて来る。

 急いで飛び退くと猪だった。

「兎丸!」

「キュッ」

 後ろ左足に兎丸のツノが突き刺さる!

「プギャー」

 そして後ろ右足は俺が斬る。

 動けなくなったところでトドメを刺す。

 カード化しても良かったが猪突猛進、敵を倒せるとは思えなかった。俺らに倒されてるし、なのでありがたく肉になってくれ。

 カード化したら肉、牙、毛皮になった。ラッシュボアと言うらしい。

 いまは兎丸と二人でいいと思っている。


 今日はウサギ三十体にラッシュボア一体だ。ギルドで換金してもらうとラッシュボアが良い値段して、また銀貨五十枚超えた。

「もう一回依頼でEランクですよ」

「えっ?でも十回じゃ?」

「これだけ狩って来れるならってギルマスが言ってましたから」

「は、はい!」

 おぉ、会ったことないギルマスに認められてるのは嬉しい限りだ。


 宿に帰り、剣の手入れとシャワーを浴びて、現金をある程度カード化しておく。取られても困らないようにだ。

 晩飯を食べ、人参を少し分けてもらう。

 部屋に戻り兎丸を呼び出し人参を食べさせると「キュッ」と嬉しそうに鳴くのでモフモフを撫で回す。

 食べ終わるがそのままにして一緒に寝る。


 朝飯を食べ、ギルドに向かう。

「テイムしたモンスターって登録とかいるんですか?」

「テイムですか?入りますよ、後は首輪も入ります」

「カード召喚、こいつなんですけど」

「かわいいぃー!ホーンラビットですね!赤い首輪がありますよ!」

「いや。黒でお願いします」

「赤が似合いますって!」

「兎丸はどっち?」

 兎丸も黒を選んだ。

「もう!赤い色が絶対似合うのに!」

 これで堂々と連れて歩けるな。


 宿にもテイムしたモンスターは大丈夫か聞いてみたが、兎丸なら大丈夫らしい。

 モニカがモフモフしていたが、途中でやめてもらい狩りに出かける。


「兎丸!」

「キュッ!」

 またラッシュボアが出て来たが昨日と一緒のパターンですぐに倒せた。カード化すると肉、牙、毛皮の他に魔石も入ってたらしい。

「へぇ、ラッキーだな」

「キュッ!」

「おわっ!」

 また一頭出てきたから急いで飛び退くとあちらも体制を整える。

「家族だったとか?」

 突進を避け様に斬り。兎丸も後ろ右足を刺して動けなくする。トドメを刺してカード化する。今度は魔石無しだった。


 ギルドに戻り今日の収穫と一緒に聞いてみると、

「魔石は強くなってきたモンスターにできるもんだ。ラッシュボアにしちゃ大きめだからあってもおかしくないねぇ」

 そうだったのか。わからないことだらけだな。


「そりゃそうと、そいつがユートの相棒かい?」

「キュッ」

「そう。兎丸って言うんだ」

「また可愛いのぉ」

 兎丸は女子に大人気だな!


 それから一週間が経つ。相変わらず兎丸と二人で狩りをしている。

 すると兎丸に変化が現れた。

 と言うか俺のスキルから通知が来た。

 ホーンラビット→ビッグホーンラビット

         ダブルホーンラビット

         ナイトホーンラビット

 と、進化するらしい、これは一択しかないね!ナイトホーンラビットだ!

 兎丸が震え出すと毛が黒くなっていく。もしかして、騎士じゃなくて夜のほうか!

 兎丸は黒いウサギに変わっていた。

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 ナイトホーンラビット レベル十五

 HP450

 闇に特化したホーンラビット、暗殺が得意。

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 ま、まじかぁ、暗殺って!

 ちょっと目つきも悪くなってるし!

 クナイとか持たせたいが二足歩行ではないから無理だな。

 まぁ、素早さ特化型っぽいな。

 ちなみに俺は

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 久保 悠人  21歳

 レベル16

 力 E

 体 D

 速 E

 知 E

 魔 D

 スキル 剣術 カード化・召喚・合成

 ユニーク カードホルダーLv1

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 こんな感じだ。俺にも剣術が生えた。合成をまだ試したことがないから何とも言えないが、ハードホルダーはレベル1のまんまだ。

「よし、合成を試してみよう」

 薬草のカードが二枚あるから合成してみる。

「カード合成」

 カードが二枚重なって一枚になると上級薬草になった。

「おぉ!これがどんなに凄いか分かんねーからおばちゃんに聞くか」

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