第2話 憧れ


 兎丸が頑張ってくれて二十体目のホーンラビットを倒した。

「兎丸疲れただろ?ちょっと休憩しようか」

「キュッ」

 このまま兎丸だけで、どこまでいけるかな?

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 ホーンラビット(兎丸) レベル3

HP130

 草原にいるホーンラビットの一種、ツノで相手を攻撃する。

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 レベル3?兎丸レベル上がってるし!

 俺は?


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 久保 悠人  21歳

 レベル3

 力 F

 体 F

 速 F

 知 F

 魔 F

 スキル カード化・召喚・合成

 ユニーク カードホルダーLv1

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 おお!俺も上がってるじゃないか!

 兎丸が倒したら俺も上がるんだな!

「よし、休憩終わり、夕方までウサギ狩りだ」

「キュッ」


 それからまた二十体狩って、夕焼け空になってきたので帰ることにする。

「兎丸お疲れ様!」

「キュッ!」

 カードに戻る兎丸。

 

 ゴズに挨拶して銅貨三枚渡そうとすると、

「あ、この街のギルドに所属したら入街税はいらないぞ?」

「あっそうなんだ」

「そうだから行った行った!」

「はーい」

 門から大通りを真っ直ぐいくと冒険者ギルドが右手にある。その中に入ると昼間とは違って人が多いな。

「どけ!坊主!」

「あ、はい」

 怖い顔のおっちゃんだな。

 サッサとおばちゃんとこ行こっと。

 右手の扉の中に入ると怒鳴り声がする。


「解体覚えてから持ってきな!何だいこのズタボロの獲物は!」

 おばちゃんに冒険者もタジタジだ。

「これでも命かけて討伐してきたんだぜ?」

「ふー、魔石と鱗が少し使えるね、これだけだな!」

「有り難え、ありがとうございます」

「ふぅ、次!ってユートかい!」

「うん、俺のも買取お願いします」

「あんたの解体はいいから助かるよ!」

「カード召喚」

「うおっ!よくこんな捕ってきたね!」

 ホーンラビット四十体分だからね。

「銀貨四十二枚プラス魔石があったから銀貨二枚」

「銀貨四十四枚!やった!」

「それに討伐金も入るからよかったね」

「はい!」

 ルンルンで解体場を出て、受付に並ぶ。

「あ、ユート君、え?これ一人でやったの?」

「はい!」

「討伐金がホーンラビット一体につき銅貨三十枚、だから銀貨十二枚に買取が銀貨四十四枚で銀貨五十六枚ね」

「ほぉお」

「やったね!」

「はい!」

 袋をもらいそれに入れて外に出ようとすると、

「おい!機嫌がいいじゃねぇか?俺らにも分けてくれよ?」

 テンプレみたいなゴツいのが二人組でやってきた。

「い、嫌ですよ!」

「あんだと、テメェ」

「やめな!」

 青い髪の女の人がたすけてくれる?

「あ?テルハ…これはだな」

「恐喝だろ?しかも新人」

 女の人が言うと青い顔をして、

「お前新人か!悪いことをした!」

 謝ってくるが遅かったみたいだ。


「新人に恐喝してんの?ダセェな」

「おい!袋叩きにしちまおうぜ!」

「いいねぇ!」

 聞いていた冒険者達が一斉に取り囲む。

「新人に恐喝なんてこのギルドにいられると思うなよ」

「冒険者の名が廃るんだよ!」

「わ、悪かった!俺らが悪かったから!」

「やっちまえ!」

 ボコボコになって外に捨てられる男達。


「良かったな新人で」

「は、はい、ありがとうございます」

 さっきのお姉さんが寄って来る。

「おばちゃんに感謝しとけよ?ユニークを持った新人がいるって聞いてたからな」

 おばちゃんありがとうー!

「は、はい!俺ユートって言います」

「私はテルハだ。またな」

 格好から剣士なんだろうな。綺麗な人だった。あんな剣士になりたいな。


「あ、宿取らないと!」

 俺は外に捨てられた男どもを踏んで宿を探してると、女の子に引っ張られる。

「宿探してるんでしょ?こっち」

 引っ張られるままに入ったのは『錆猫の居眠り亭』と言う宿だった。

「お母さん!お客さんだよ」

「モニカ!また勝手に連れてきたんでしょ?」

「あ、大丈夫です。宿を探してたので」

「あらそうなの?うちは一泊朝飯付きで銀貨四枚だよ?」

 安いのか高いのかわからないが、

「はい。一泊お願いします」

「あいよ、気に入ったら連泊しておくれ、安くしとくからさ」

 女将さんに銀貨四枚を払い、部屋にモニカが連れてってくれる。

「ここだよ!使い方わかる?」

「お、教えてください」

「はぁい!」

 電気の付け方、シャワー、エアコンと教えてもらった。

「ありがとう」

「ん!」

 手を出すモニカ、しっかりしてると銅貨を三枚渡したら喜ばれた。

「またわかんないことあったら聞いてねー」

 モニカは走って行ってしまう。


 部屋に入ってシャワーを浴びる。

 タオルは置いてあったのでそれを使い、また汚いままの服を着る。

「明日は買い物だな」

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