第3話 日常(清水葵Side)

彼、新藤司の監視を始めてしばらくたった。

彼に関して分かったことは多くある。

まず、彼は極度のお人よしだということだ。


クラスの委員長が先生から荷物を運ぶように言われたら進んで手伝いに行くし

公園でケガした子供が泣いていたら手当てをした後一緒に遊んであげるし

荷物を持っているおばあさんがいたら荷物を持ってあげるし

バスや電車で進んで席を譲るし。


困っている人が目につくとかかわらずにはいられないとでも言うように人助けをしている。

ふと気になって天界のデータベースから彼の善行数を確認したところ一般人の3倍程あった。

このレベルの善行を行う人であるならば天使になれそう。

地上種はある一定量以上の善行を積むと天使になる資格を得る。

天使は子をなす場合もあるけど地上種が天使になる事のほうが圧倒的に多い。

天使になると命の制限もなくなるし断る人もいない。


ある日、私は新藤君に天使になる気はないかと伝えた。

すると彼はならないといった。

わからない。

私は生まれた時から天使だった。

だから彼がなぜ遠視にある事を拒むのかわからない。

確かに天使の仕事は地上種を脅かす魔族種を駆逐すること。

戦闘能力も求められる。

だが、天使になりあての地上種でもそこらの魔族種なら簡単に討伐できる。

だから怖いとかそういう理由じゃないはず。


そもそも彼は天使になるということに一切の興味を示していない目をしていた。

彼はなんなんだろうか。

天使になりたくない理由が私にはわからない。


監視しているうちに、彼を見ていると不思議な気持ちになるようになってきた。

彼のことを見ていると体が熱くなる

彼が誰かと楽しげに話していると胸のあたりがぎゅっと締め付けられる

この気持ちの正体がわからない。

クラスの友人と呼べる存在に聞くとそれは恋だという。

ありえない

天使種が地上種に恋をするなど

そんなこと

ありえない…はずだ。


私はどうしたいのだろう。

もう少し彼を見てみればわかるのかもしれない。

このよくわからない感情を持たせた君を

この気持ちを初めて持った「きれいな目」という言葉を

この気持ちの正体に気づく日は来るのかわからないけど


彼と一緒にいる時間を増やせばわかるかな




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


というわけで葵Sideでした。

ここは文字数少なくなるけど今後の伏線みたいなことになったらいいなと思って設定を盛り込んでみました。

なんとかなれー!

未来の私がんばれー!!

うおおおおおおおおおおおおおおおお!

読んでいただきありがとうございました。

次は関係性が進展してくれるといいな…

語彙力が足りないので表現力を探す旅に出ます。

探してください。

それでは。

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