自分だけが異質なこの世界で~生まれ変わった世界と神々の魂を持つ者達~

十六夜 水明

プロローグ─嵐の夜に─

 ここは何処?この暗闇は?


 何も聞こえない。

 何も感じない。

 生きているのかさえ分からない。


 でも、これだけは分かる。

 ここは、自分が居て良い場所じゃない。


 どうやって出たら良いんだろう?

 もう、考えることには疲れた。

 もう、何も考えたくない。


 だって今までたくさん考えて生きてきたから。

 今まで?

 今までどうしてたんだっけ?

 何を考えていたの?

 どう生きてきたの?


 ねぇ、教えてよ────

 ─────────ねぇ!


 ─ザワザワ─────


 何かが聞こえる?


 ─ガタガタ────ザァ───


 雨の音?風の音?

 なんなんだろうか。


 聞こえるってことはまだ生きてるということだろうか?

 面倒くさい。

 別に、生きていたくもない。

 だからといって、死にたいわけでもない。


 もう、何でもいいや。


 どうにでもなれ。



 そうして、その意識体は粉々に消えていった。

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