06 魔法バトル

「死ねー!」

ファイアボール10連弾だ。


「お前の力はそんなものか。」

クッソ、水魔法で防御されちまった。ノーダメージじゃんか。


現在オレは、1対1のバトルを申し込まれ対戦中。

オレに挑んでくるだけあって、なかなかの強者だ。


「ならば耐えてみよ。バハムート召喚。」

オレは最強の召喚獣を発動させる。

相手が死んでも構わない。

やらねば、逆にオレがやられるのだから。


「クッソ、そんな隠し玉を持っていたか。大魔法で反撃だ。」

相手はメテオを発動させた。巨大隕石による攻撃である。

こいつバカか。町1つ吹き飛ばす気だ。


オレは異世界転生者である。

幼少期の頃は平穏に過ごして来たのだが、16歳のある日、

転生前の記憶が突然取り戻されたのである。

前世では日本とう国に住み、学生をしていた。

高層ビルが立ち並び、その中を飛行機や電車が行き来する。

そんな世界で生きていたことを。

だれに言っても信じてもらえない世界である。


そんな前世のオレは、小説で読んでいた異世界に憧れていた。

生まれ変わって、こうして夢が叶うとは。

ただ、前世の記憶を取り戻したことでメチャメチャ残念なことがある。

異世界にあこがれたのは魔法があるから。

この世界には魔法というものが存在しない。


「メテオに引き続き、とどめのメルトン。」

「ずるいよ。それも持ってるの。」


だからオレは、前世で遊んだカードバトルをこの世界で作った。


「まいりました。オレの負けです。」

ーーー 完 ーーー

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