第21話

 私こと染谷そめや 桃花ももかは、あのデートした日曜日に、あっさりと処女ではなくなった。

 行為のお相手は、もちろん笠井かさい つぼみちゃん。

 大好きなカノジョに私の『はじめて』をあげれて、私はその夜、泣きながら笑った。「大好き」を啼きながら、つぼみちゃんに囁き続けた。


 そんな記念とも言える日から、早くも1ヶ月。


 私とつぼみちゃんの関係は、今でも変わらずに良好と言える。

 ただ、時々どうしようもなく眠たくなる時があって、そういう時はつぼみちゃんには申し訳無いけどすぐに寝落ちしてしまう。

 抗えない程の睡魔に襲われるのだ。


 そして、決まってそういう時に見る夢はなんだかフワフワしているようで、心地いい。

 けれど毎回その夢は思い出すことが出来ない。

 でも、、、

 目を覚ますと絶対につぼみちゃんが笑顔でいてくれるから、私はすぐに嬉しくなるの。

 なんだか、どんどんつぼみちゃんへの愛が倍増していくみたいで。





 侵食されるみたいに依存している





 それに違和感が無いと言えば嘘になるけれど、つぼみちゃんと一緒にいる時間があまりにも幸せだから、それでも良いと思えてきちゃう。

 つぼみちゃんも、このことを話すと毎回何かを隠すように誤魔化すし。


 でも良いんだ。

 いつか、つぼみちゃんの方から話してくれるって信じてるから。



 それと、まだまだこの1ヶ月で変わったことは沢山ある。


 まず、つぼみちゃんの親友だと言う有賀ありが 千草ちぐさちゃんと言う女の子と友達になった。

 その子、とっても可愛らしくて、たまに「ふへへ」とか可笑しな笑い方もするけど、やっぱり可憐な女子高生って感じなの。


 だけど、何と言うか、その、、、


 すっごくスキンシップが激しい。よく抱きついてくる。

 つぼみちゃんに千草ちゃんは他の子にもこういうことをよくするの?って聞いたら、少しぶっきらぼうに「ちがうよ。だから桃花ちゃんもあまり甘えさせないで」って言われた。


 た、たしかに、千草ちゃんって抱きついてきた時、すっごくマシュマロみたいに柔らかくて、とっても良い匂いもして、なんだか、つぼみちゃんとは別の、また違ったドキドキする感情がある。


 けれど、それでも私はつぼみちゃんが1番好きなのにね。



 そして、私と仲良くなった人は同じ生徒だけでは無い。

 笹浦ささうら 詩子しのこ先生。うちの女子校の保険医だ。

 とっても綺麗な女性で、最近はよく廊下ですれ違った際に呼び止められて沢山話をするようになった。


 だけど、なんだか先生といると―――



「あら。最近よく会うわね、染谷ちゃん」

「!! 詩子先生、こんにちは」



 ―――私は時々、記憶の無い時間が生まれるのだ。



━━━━━━━━━━━━━━━


この話を含めて、あと10話で完結します。

もう少しですので、これからも応援よろしくお願いします꒰ᐡ•̥_•̥ᐡ꒱

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る