突き上げ 見届けようぜ 後の月を。

「へへっ悪りい。また俺が先攻。お前のまだ言いたい事がある。と同じくれえには俺も訊きてえ事があるんだよなぁ? 白い泡晒すお前に訊きてえ事がさ? お前はメエの事をどう思ってる? 後ろ髪引かれる程度には必要とされてる自分の事をさ? それが知りてえ。ああでも悪りい。まずはさっきの約束の返事を聞こうか?」


「返事なんて言うまでもねえ。お前にも俺は約束してやるよ。質問にも答えてやる確かに必要とはされてるだが正しくねえ。あいつらは全力の俺を普段の俺と勘違いしてる。俺にはそんな価値はねえもしかしたら自分で感じるそれ以下かもしれねえ。だからこれから作る! 磨くんだ生み出すんだ自分を! 俺の価値を! 見せつけてやるんだこの俺を! その為に踏み出す! こんなんで良いか? 質問に対する俺の答えは!?」


「答えてくれてありがとう。でも良くねえ全然良くねえなお前の答えは! 知ってるさ! お前が自分の価値に! 勝ちにこだわる事を切望し! やがて絶望したって事をなあ!? でもそんな気持ちでどうする!? 前向きな事言った後のこのタイミングで! 自分に嘘ぐらいつけよ! 別にお前は裏切られてなんかねえ! タイミングだ! せめて自分にくらい嘘ぐらいつけよ!? それを真実に変えれば済むハナシだろう!?」


「自分に嘘はつかねえ。前向きな嘘はの為だけにある。他人を鼓舞する。その為だけに使う俺を鼓舞するのはいつも悔しさだけ。それに打ち勝つ! だから良いんだ! だから前向きになれんだよ俺は! 外に戦う相手が居ねえんなら自分の弱さと戦う! 真実は知らねえ! 自分に不都合な事実と戦う! 弱さは晒す! だがいずれ殺す! 別の弱さが見えたらその都度殺す! これが俺のやり方だ間違っちゃいねえ!」


「俺はそれが心配だ。俺達の時間は有限だ体力も! 弱さに負けそう! そういう弱さに出会った時はどうすんだお前は!? 逃げ道も作らねえで! 不器用にただただゴリ押そうとするだけか!? 変われよ!? ズルくなれ! それは悪くも違くもねえし勿論正しくはねえ! だが体位は正常位だけじゃねえだろ!? たまには騎乗されて休んでも良いんじゃね!?」


「それはすげー魅力だ! 休んで風景を下から見上げるその魅力は魔力的だ! だが! 違えんだ! 下にいても下から突き上げるのが俺! いや俺達だ! その為の体力は用意しとけば良いしそれは容易だ! 磨くだけで済む楽しむだけで済む! それは努力じゃねえ! そんな遊びを人生に求めてんだ形振りは構わねえ! だが楽しみも妥協しねえ!」


「それも俺は知ってる! ズルさは楽しくなんかねえし! 全力が一番楽しい事を知っている! 悪かったな!? サゲる事わざわざ言っちまってよ!? だがな!? 頑固なだけが全力なんかじゃねえ! 聞き入れねえってのは単なる甘えだと思うぜ俺はな!? だからズルさも受け入れろっつってんだ! 弱さに勝つのは一本の道だけじゃねえ!」


「一本道じゃねえ事は俺も知ってるそれにだ! ズルさを受け入れる気がねえワケなんかでもねえ! それすらも全力でやるんだぜ俺は! 俺達は! その上で下から見上げる! 突き上げ! 見届けようぜ!? のちの月を! もがく俺をデカく見せられんのは俺だけだからな!? もがき足掻く事も楽しむ! だから俺は甘えてなんかねえ! 違うか!? お前もそう思ってんだろう!?」

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