かくばかり君を偲ぶる夏の夜よ なほうつくしき影ぞ残れる


・「かくばかり」

連語。「このように」という意味の副詞「かく」+副助詞「ばかり」。

「これほどまでに」「こんなにも」という慣用表現。


・「君」

名詞。和歌では多く、「(恋い慕う)あなた」「恋人」として用いられる。


・「偲ぶる」

他動詞。バ行上二段活用の「偲ぶ」の連体形。

ここでは「思い出す」「思い慕う」の意。


・「よ」

間投助詞。詠嘆。


・「なほ」

副詞。ここでは「依然として」「変わることなく」の意味。


・「うつくしき」

形容詞。シク活用の「うつくし」の連体形。

ここでは「美しい」「愛おしい」の意味。


・「影」

名詞。

ここでは「(月の)光」と「面影」「(心に思い浮かべる)姿」の掛詞。


・「ぞ」

係助詞。強意。文末を連体形で結ぶ。


・「残れ」

自動詞。ラ行四段活用の「残る」の已然形。


・「る」

助動詞。ラ行変格活用の「り」の連体形「る」。

主に存続の意味で使われる。

「ぞ」が文中に存在するため、係り結びの法則により、連体形を取る。


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