第13話 リルアの妹登場!!

「ん。いいんじゃないか。じゃ、行くか」


「えーそれだけ? “ リルアかわいいぞ。俺のタイプだ、嫁にくるか” とか、ないのー?」


「なんでそうなるんだよ」


「えー? リルアがクウガにかわいいって言われたいから」


「…… リルア、さっきから気になってたけど、俺のこと好きなのか?」


「え? うん。好き。ごはんくれるし。素手でカユガセーダ倒せるくらい強いし。ちゅー気持ちいし。エネルギーおいしいし。控えめに言って、最高に好き」


「……そうか」


 つまりリルアの好きってのは、懐いてるとか気を許してるとか、そーゆーたぐいのものか。


「ん。ちゅーする?」


「なんでそうなるんだよ。ほら、ドラッグストア行くぞ」


「え、麻薬売買の現場を取り押さえに行くのか!?」


「違う。そのドラッグじゃない。虫よけ売ってる店に行くだけ」


「なんだ。紛らわしいな」



____

______



※アスファルトを歩く二人分の足音


「クウガ、クウガ、ちょっと待って、靴の中なんか入った」


※足音


「え?」

※足音が止まる



※カッキ――――――ン

↑何かが飛んでくる音


※ドサッ

↑ぶつかる音


「いってぇぇぇぇぇ。え、何?? ……柿? なんで柿がカキ―ンて飛んできて俺の背中に突撃してつぶれてるの」


(いったぁぁぁぁぁぁい。ちょっとぉ、急に止まんないでよ。“宇宙船は急には止まれない” なんだからね!!)

↑エフェクトかけた別の女の子の声 リルアの最初みたいに脳内でしているイメージ


「へ!? なに、柿からまた変なの出て来たんだけど……」


(ちょっと、変なのとは何よ!)


リ:「あー!! ラルカ!! どしたの??」


ク:「ラルカ? なに、リルアの知り合い??」


リ:「うん。リルアの妹だ」


(ちょっと、お姉ちゃん。せっかく人が心配して来てあげたのに、どしたのはないでしょ? お姉ちゃんのメロメロナルナ号の通信が途絶えたから、不時着でもしたのかと思って予備の宇宙船持って迎えに来たのに。まさか私の宇宙船が壊れるなんて……)



※ブ――ン

↑蚊の羽音


(え!? 今カユガセーダの音しなかった!? 嘘よね? いやよ?)


リ:「あ! ラルカ! おでこ!」


(え、おでこ!? まさかラルカのおでこにカユガセーダ止まって……る、と、か……言わないわよ……ね……?)

(だんだん弱々しい口調)


※プクゥゥゥゥゥゥゥゥ

↑ラルカのおでこが蚊に刺されて腫れる効果音 コメディぽい感じの音


リ:「ラ、ラルカ!! 大丈夫か!? おでこ……すごい腫れてる……」


ク:「え、まさか妹も刺されたのか? ちょ、大丈夫か、ふら付いてるけど……立てるか!?」


(う……来たばかりなのに、……なんという、醜、態……)


※バタッ

↑ラルカ倒れる音


リ:「ラ、ラルカ!?」


ク:「え、お、おい? お、お前、大丈夫か! ちょ、顔赤いし……熱っ! 熱出てきてるじゃないか」


 え、なに、この流れ……まさか、またキス……とか言わないだろうな。まあ、言ったところでこんなちっこい人形サイズ、キスしたうちに入らないが……


※シュルルルルル

↑ラルカが小さくなっていく音


リ:「あ、待って、ラルカ! そのサイズから小さくなったら消えちゃう!! ……ええっと、ピコットのダイヤル……(※カチカチカチというダイヤルを回す音)回して、っと、えいっ!」


※ピコ――ン

↑ピコットを打った時の電子音


※シュワンシュワンシュワン

↑ラルカが大きくなる音


ク:「あ、大きくなって来た!」


リ:「よし! ……後はラルカ、リルア薬持ってるから、飲んで!!」


ラ:「え? ……あり、がと、おねえ、ちゃん……ごく、ごく、ごく」

↑人間ぽくなったラルカの弱々しい声と、液状の薬を飲む音


※シュピ――ン!!

↑復活した感じの効果音


ラ:「ラルカふっかーつ!! ありがとう、お姉ちゃん。助かったわ」


リ:「うんうん。よかった」


ク:「え……おま……薬持ってたのか? だったらなんでリルアの時はそれ飲まなかったんだよ」


リ:「え? クウガとちゅーしたかったから」

↑しれーっとした言い方


ク:「え、それ、ストレートに言う……」

↑戸惑いつつ照れてる言い方


 なんなんだよ、リルアのやつ。ストレート過ぎて……変な意味じゃないにしても、なんか……照れる。





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る