第10話 「くうが、だっこして」

「きらいっ……て、悪かったよ。けど、なんで殺虫剤握りしめたまま使わなかったんだよ」


「え、使った!! ブンブン振ったけど全然当たらなかった!! これ全然強くない!! 全然役立たず!!」


「……へ? ブンブン振った?? ……リルア、それ使い方違う。ほら、貸して。こーやって使うんだよ」


※リルアの手から殺虫剤を受け取る音


——シュー

↑殺虫剤を撒く音


「え?? なに、それ、空気抜けた音??」


「ちがう。この中に入ってる虫を殺す薬が出た音」


※リルアがのけぞる音


「……ん! くさい!! その武器くさい!! カユガセーダはこの匂いに鼻が曲がって息ができなくなって死ぬのか!?」

↑リルア鼻を摘まんでいて鼻声気味


「……え? ……いや……あ……なんかめんどくさいからいいや(小声)、うん、たぶんそうだ。しらんけど」


「そうか……カユガセーダは臭いのきらいなんだな」

↑まだ鼻声だけどまじめな言い方


「……あれ? リルア……ほっぺた腫れてない?? ちょっと見せて」


「……え!? う、わ、ほんとだ。食われた。カユガセーダに食われた。……う、気付いたら痛くなって来た!! ジンジンする!! 痛い、痛いよおおおお、うわああああああんん」


「え、ちょ、まって、泣くな。とりあえず刺されたところ洗って冷やそうか。ちょっと待ってろ」


「やだ!! やだ、クウガ行ったらやーだ。置いてかないで。やだ。寂しい。ひとりにしないで」

↑駄々をこねる子どもみたいな言い方


「お前は子どもか! ちょっと待ってろって、すぐ戻っ……て、……え??」


「くすん、くすん。くうがのばか。きらい。いったらやだ。さみしい。いかないで。ねーさむい。いたい。ほっぺいたいよおおお」

↑子どもっぽい声で弱々しい言い方


「え、リルア?? お前……顔真っ赤だし、ちょっと……小さく……幼くなった??」


「うー? しんどい。ぼーっとする。だっこ。くうが、だっこして」


「え、ちょ、抱きつくなっ、え、おい、待って、リルア、お前……子どもの姿になって……」


※シュウウウウウウウン

↑リルアが子どもの姿になっていく効果音


「……あーあ。りるあ、ぱわーなくなって こどもになっちゃった。くうがのぱわー わけて」

↑リルアの甘えん坊みたいな子どもの声


「え?? 俺のパワー?? いいけど、どーやって!! あげられるならいくらでも!!」


「じゃあ……いただきまぁぁぁすっ♡」



※リルアがクウガにキスするために距離をさらに詰める衣擦れ音



——チュウゥゥゥ———————————!!!!

↑少しコメディ寄りのキスしてる音


 え、え、え?? 俺、リルアにキスされてる!?


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る