第2話 まずは、改訂版前の思い出話でも・・・ その1

 私の文を何度か読んでくれている方はご存じだろうが、私は「リワーク」と呼ばれる復職施設に通っていた。


 ただ、真面目に話などを聞いていたのは最初の二年で後はコーヒーにハマった。


 その中でも暇であった。


 そこでリワークのパソコンを拝借して(許可は取っています)小説を毎回書くことにした。


 それが二百ページ以上にもなった『WONDERFUL WONDER WORLD』である。


 無謀だった。


 滅茶滅茶だった。


 富士山に軽装で行って普通に戻れたから剣岳にも同じ装備で登ったら空気薄いわ、峰は鋭いわ、ロッククライミングもある……


 そこから私の資料集めが始まる。


 本を買う余裕はない。


 図書館へ行き最大貸し出し本数十冊プラス音の資料のCD五枚を借りて真夜中になるまで読み込み、落とし込むかを考えた。


 もう、戻る道はない。


 来た道は雪に閉ざされた。


 ボロボロになりながら、何とか完成させ、修正などをかけて『懸賞ガイド』を買って、ある文学賞に出すことにする。


 印刷をするとページが二百以上になり、近くのコンビニで原稿をコピーしてもなかなか二百枚までは届かず、他の客から「まだですか?」と言われる始末だ。


 結果は鳴かず飛ばずだった。

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