間違った鬼ごっこ

夕日ゆうや

間違った鬼ごっこ

 鬼ごっこは鬼が人を追いかけて、その身体にタッチする。タッチされた人は鬼になり、また他の人にタッチする――というゲームのはずだった。

「待て――っ!」

 ボクちんは女の子を追いかける。

 捕まえればエッチな要求ができる。

 そんなボクちん特製の『鬼ごっこ』が始まっていた。

 ここにいる女子は全員、お金で買われた子だ。

 ボクちんは最強で無敵なお金持ちなのさ!(キラキラ)

「「「鬼さん、こちら! 手のなる方へ!」」」

「あははは。ボクちん、捕まえるよぉ~!」

 本音では捕まりたくない彼女たちは必死で逃げる。

 そんなことを知りはしない

 ハゲていてチビでデブなボクちんは女の子に好かれる要素などないのだ。

 それに性格も酷い。

 全てが自分のものと勘違いをしている。

 お金だけはあるので、みんなからはもてはやされてはいるが……。

「へへへ。ボクちんに捕まりなぁ~」

 ねっとりとした高音で言うボクちん。

「この! バカ!」

 女の子は顔を思いっきりひっぱたく。

「そうよ! わたしたちだって反対だもの!」

 人の心には嫌悪感というものがある。それは金で買えるものじゃない。

 それを知った

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間違った鬼ごっこ 夕日ゆうや @PT03wing

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