第3話約束の休日デート

約束の土曜日がやってきていた。

目を覚ますと身支度を整えて集合場所の駅前に向かう。

駅前の時計台の下で白樺のことを待っていると彼女はいつもとは違いパンツスタイルで現れた。

「今日は…スカートじゃないんですね…」

何を期待しているのか僕はそのような失礼な感想を口にしてしまう。

「へんたい…♡」

彼女は軽く微笑むと僕の手を取って街へと向かう。

初めに本屋に向かうと彼女は参考書などをいくつか購入した。

しばらく街を歩いたところで彼女は一度立ち止まる。

「ちょっと休憩しよ?」

それに頷くと僕らはカフェに入店してテラス席で涼し気な風を感じていた。

カフェラテを飲みながらのどかな時間が過ぎていくと会計を済ませて店の外に出る。

再び街を歩くと彼女はある店の前で足を止めた。

「ここに入るよ」

そう言われて僕は必死で首を左右に振った。

何故ならそこはランジェリーショップだからだ。

「無理です!ハードル高すぎですよ!」

必死で断るのだが彼女は僕の手を握って離さない。

彼女はそのまま強引に歩を進めると店内に入っていく。

中には数多くの下着が用意されていて彼女は僕に問いかける。

「どういうのが好み?」

「そう言われても…もう出たいです…」

「いいからいいから♡好きな色は?」

「………水色です…」

静かに口を開くと彼女は店内にある水色の下着を手にする。

それ以外にもいくつか淡い色の下着を手にすると彼女は会計に向かった。

無事に会計が済むと僕は急いで店外に出た。

鼻息が荒くなっているのが自分でも分かる。

気まずくなり落ち着かないでいると彼女は遅れて店の外にやってきた。

「動揺した?」

それに頷くと彼女は嬉しそうに微笑む。

「それなら良かった♡イタズラ成功した気分♡」

「もう…やめてくださいね」

「どうしよっかな〜♡」

嬉しそうに足取りが軽くなった彼女とそこからも休日デートを続けていくのであった。


デートの終わりがやってくると彼女は僕になんでも無いように口を開いた。

「今日買った下着。月曜日に履いていくね?♡」

気まずかったがそれに静かに頷くと僕らは各々の帰路に就く。

帰宅して自室で休んでいると彼女は下着を着用した写真を送りつけてくる。

「今日のお礼だよ♡」

などと挑発的な文章が送られてきて僕は赤面してしまうのだが、しっかりと保存するのであった。

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