第23話 真実


「分かってるんだ、前世か転生前か分からないが記憶があるんだろ?」


 おいおい、嘘だろ。父上俺が転生者だって事気がついていたのかよ。まてよ、ここで言うって事はママとアイスも気づいてるのか?!?

 もう、誤魔化しきかないよな。


「はい、その通りです。僕には転生前の記憶があります。」


「やはり、そうだよな。」


「なぜ、気がついたのですか?」


「そうだなぁ、親だから何となくわかるんだよ。」


 父上が照れくさそうな顔をしながら笑った。ママもつられてクスッと笑った。


「そうですよ、私もキアちゃんが転生者なの気がついてましたよ。」


 やっぱり、ママも気がついていたのか。まてやばい、そうなると俺の行動も気持ち悪いものとして捉えられてしまう事がたくさんあるんじゃないか??子供だから許される事も中身が大人だと話が変わる。


「気づいていたんですね。」


「ええ、母親なので。キアちゃん、そんなに難しい顔しないの。転生者だろうと、何だろうとキアちゃんは私の自慢の息子です!私はキアちゃんが生まれてきてくれて嬉しかったですよ。」


「母上・・」


「そうだぞ、キア、俺の息子である事には変わりない。転生前が何者だったのか、何歳だったのかは分からないが今世は俺の息子だ。前世で年上だったとしても関係ないからな。」


「父上・・」

転生者である事を知っても、自分を受け入れてくれる両親に感謝の気持ちと、嬉しい気持ちで心が混乱した。


「兄上も知っていたんですか?」


「ああ、知っていた。というか俺も転生者ではないが似たようなものなんだ。キアこれから伝える話をよく聞け。いいな。」


「え、兄上も転生者???」


 色んな事が一気に判明して、俺はかなり混乱している。ただ、冷静に考えると今この状況が一番不可解だ。今まで俺が転生者である事も目を瞑ってくれていたのに、急に隠す事をやめた。色んな技を教えてくれた。この状況を考えると明らかに良くない事が起こっている気がする。

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