第7話 初体験 1/2

「ねえ、麗華れいかちゃん!」


「え、あっ、はい。なんでしょう」


 いつの間にか休憩時間になっていたらしい。


 汗を拭いながら、ユミさんが話しかけてきた。


「ちょっとレッスン参加してみる?」


「はぁ……え、私がですか?」


「うん」


 他に誰がいるんだよって話しですが、戸惑う気持ちをわかってください。


「あの、ダンスなんてやったことないんですけど」


「大丈夫大丈夫、麗華ちゃんなら大丈夫だよっ」


「いやいやいやいや」


 どこから湧いてくるんだ、その自信。


 てか、信頼?


「本当に体育の授業でしかやったことないんですけど」


「うん、大丈夫」


 さっきから「大丈夫」しか言わねえな。


 無駄にニコニコしてるし。


 可愛いけど。


 キュートですけど。


「ね、やろうよ」


「は……いやいやいやいや」


 しまった。


 可愛さに流されて頷きそうになった。


「もう頑固だなあ」


 頬を膨らませちゃって。


 可愛いなあ、おい。


「できないものはできないので」


「やってみなきゃわかんないじゃん!」


 滅茶苦茶ポジティブシンキングだな。


 本人が「できない」って言ってるんだから、諦めてくださいよ。


 ヘルプミー、マネ。


「やってみたら?」


 助けを求めてマネの顔を見たのが間違いでした。


 背中を押されました。


 なんでだよっ。


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