第28話 最強の殺し屋クロは、別の学院に訪れる

 こないだあった調理実習と言う名の植物学の授業も終わりレイは都市内を歩いていた。そこで所々に貼り付けられているチラシを見るとほかの学園島の情報みたいなのが書いてある。


 「そういえばこんな学園島に似た施設がほかにもあるんだよね」


 レイはそうつぶやくとチラシの近くにいたであろう男が近寄ってきた。


 「そうですよ! 貴方ほかの学園島には興味ないですかね?」

 (めんどくせ)

 「まぁー今はいいですよ」


 とりあえずその場は一時撤退して自室に帰還した。そしてその夜レイの自室に珍しい客が訪れてきた。


 「レイちゃんいる?」


 大人っぽい声がレイを呼んだ。レイは警戒なく扉を開ける。そこには緑色の髪をしたカノンの姿があった。


 「カノン何の用だ」

 「そうね簡潔に言うと仕事の件かな」

 「仕事か……少し待て」


 レイはその場で大きく両腕を開きぶつぶつと呪文を言い始める。


 「《サウンドブレイク》」


 レイとカノンが立っているところを中心に、徐々に無音領域に変わっていく。そうこのサウンドブレイクは一切外に声を漏らすことができなくなる結界みたいなものだった。


 「それでカノン、仕事とはなんだ」

 「そだねー。まぁ天武神アカデミアのあるサード学園島の潜入調査だね」

 「サード学園島か……ってことは天武神アカデミアが裏で何か動いているとかか?」

 「そうだね! レイちゃんは話早くて助かるよ」

 「じゃあ、明日の夜に出発するよ」

 「頼んだわよ」


 カノンは話が終わりすぐその場から姿を消した。


 「天武神アカデミア……か。あそこは治安が悪いらしいからな」


 レイはとりあえず今日の所は明日の為にベットできちんと寝た。そして翌日レイは出発の準備をしていた。まぁ準備するものもそんなないけどまた一時帰らなくなる事をエリス達に一言伝えてサード学園島に向かった。


 サード学園島は特殊で治安が悪いからどうか知らないけどサード学園島だけほかの学園の生徒の入国を認めていない。だから今回、島に入る方法は密入国となる。


 「よろしく船長」

 「任せときレイくん」


 俺はこの陽気なおっさん船長に一言いい。ラスト学園島を離れた。いまこの進んでいる海の周りは学園島が並んでいてそれはかなり神秘的な景色だ。島特有の建築物やお金持ちの島なら綺麗なライトアップされた島いろんな島が見えた。そしてもうじきサード学園島に着くころだろう。


 「ドミニオンの進行を止めてくれているらしいな」

 「それはそれはトン・ファー様のお願いなら我らギルドも手を貸します!」

 「それは愉快だ」

 「それで我らギルドももうじきここの最高支配者である評価委員の方々も全員買収できる頃です」

 「それはほんとか?」

 「はい。でももう一人なかなか認めない者がいまして……」

 「では殺してしまえ」

 「分かりました」


 よし着いたな……。でどうだ今の現在地はおそらくこのあたりだな。でもこれは凄いな。学園島が違うだけでこんなにも雰囲気が変わるのか。


 「もし、カノンか? 目的地に到着した」

 「ご苦労クロ。そのまま任務を遂行」

 「おーけー」


 レイはあたりの探索をしつつ怪しまれないように現地人から情報を取る。


 (まともに聞いてもいいが俺が殺し屋で殺す方が手っ取り早いな)


 レイは路地にいた男を特性の薬で動けなくして尋問を始める。


 「お前悪党だよね?」

 「なんだお前!」

 「悪党だよね?」

 「うるせーぞ!!」

 「きみ立場分かっている?」


 俺は男の頭を殴った。首が右の方に倒れる。俺は最初からこいつがまともではない事が分かっていたためこのような手段になった。


 「早くトン・ファーがいる場所教えてくれない?」


 何も言わない男にレイはどんどんと足の指を潰していった。


 「俺は言わないぞ! 裏切らない!!」

 「それはそれはでは頑張ってね」


 俺は次に手の指を一つずつ切り落としていった。昨日カノンから手渡しされたリキッドからのプレゼントである薬で男を回復させては指を潰しを繰り返していた。だがほんとに何も言わない男にレイはあきらめその場で殺した。


 「情報が無いからな~」


 近くの宿に泊まったレイはベットでどうやってトン・ファーを見つけるか考えているが何も思いつかない。


 「とりあえず天武神アカデミアに潜入してみるか……」


 翌日の夜、作戦決行の日だ。レイは天武神アカデミアの裏口からだれからも見つからずに潜入に成功した。


 「校内はしっかりしているんだな……。この地下が禁区エリアだな。ここにいても地下から聞こえるだな」


 レイはうるさい音が聞こえる地下に自ら降りて行った。そこには牢屋がたくさん置いてあり謹慎中なのだろうか明らかに凶暴な生徒がずっと暴れていた。そしてその奥に一つの大柄な影が見えた。


 「あれだなトン・ファー」


 大柄の男そうこの男こそが今回のターゲットであるトン・ファーだ、でもレイは殺そうとしていない。別に命令違反をしているわけでもない。ただ自分で今は行くべきではないと判断を下した。


 「あの隣のやつ、えげつないオーラを持っているな……」


 レイがトン・ファーを仕留めなかった理由は隣にいる人間のせいだった。多分ギルドの者だろうそれもかなり強い人物だ。ひとまず今日の所は宿に戻るとしよう。

 

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