第15話 最強の殺し屋クロは、学園会議を見学する

 本戦参加資格を賭けた予選を勝ち上がったルクスとエリスは今回、ドミニオンの前に行われる全学園の会長副会長が集まり開催される学園会議を見学することになった。


 この学園島はいくつかに分かれている。


 一つ目は、魔術工学に力を入れて非戦闘員だが魔術工学を用いた武器や兵器を開発するのに長けている学院【ヒューリ魔術技術学院】場所はファースト学園島と言う場所にある。


 二つ目は、女生徒しか入学を許されていない完全女専門の学院。

【ミルフィーレ女学院】場所はセカンド学園島と言う場所にある。


 三つ目は、極限化についてさらなる追求をして、己の心体を極めに極めまくる武術の学院【天武神アカデミア】場所はサード学園島と言う場所にある。


 四つ目は、奇妙な雰囲気が漂る学院で諜報員を育てて六色光のピンクを目標とした諜報員専門の学院【特殊諜報スレンディア学院】場所はフォース学園島と言う場所にある。


 五つ目は、学生全員が一流の強さを持つ今までの学園全てを上回る最強の学院。

【神童カルスティア霊峰院】場所はフィフス学園島と言う場所にある。


 そして最後がレイやエリスが通っている学園島【ラスト学園島】だ。


 この六学園島の会長副会長が集まる会議にレイとエリスは観客として参加している。もちろん会場は入れないが室内のモニターでその様子を二人で見ている。


 「本当に会長は良いと言ったの?」

 「私と会長は仲いいもの。許可は取っているよ」


 エリスの言う会長という人はレイが通っているラスト学園島のアルスアカデミア学園の会長の事らしい。


 「名前はカロリーヌ会長」

 「カロリーヌか……」


 そして学園会議が始まった。


 「では皆さま話し合いの準備はできましたでしょうか?」 

 「……」 

 「ひゃい!」

 「はぁ~」

 「私もいいでしょう」

 「私も準備ができました」


 カロリーヌを含めた五人の声が庭に設置されている白く丸いテーブルに囲うように広がった。


 「では今回の議題は――」


 早速問題が起きた。


 「はぁ~ったくだるいな」

 「あらどうしたのですか? 天武神アカデミアの会長のトン・ファーさん」

 「俺はさ、謹慎生徒の処理もだいぶ残っているんだよ。さっさと終わらせろよ」

 「静かにしたらどうだ。トン・ファーよ」

 「黙れよ、シグニール」


 エリスがこんなやり取りの前でもレイに各会長の説明を必死にしている。そしてこのシグニールと言うやつは神童カルスティア学院の会長だとか……。


 「では今回の議題は、新一年生のエース候補について互いの学園と情報共有をすることです」


 そうこの学園会議は大会前にレベルの高い選手を互いに教え合うと言うのが決まりだ。ちゃんとこれにも理由があり、もし桁違いの選手がいた場合は大会に何かしらの制限を掛けるからである。


 「ではまずヒューリ魔術技術学院会長エルネスタさんお願いします」

 「はぁい。私の学院には私の姉妹の妹が強いと思うは、あの子は私に次ぐ技術の持ち主だもの」

 「では次ミルフィーレ女学院会長ローズアクリナさんお願いします」

 「わたくしの女学院はシャルロットと言う生徒がお強いですわ。あの子はとても素早い突きをしてきて相手をしとめるのに特化していますわ」

 

 「では次天武神アカデミア会長トン・ファーさんお願いします」

 「基本俺らの学園はお前らも知っている通りに謹慎者が多いが、一人重力に特化した者がいる。それぐらいだ」

 「重力ですね。それはかなり攻略が難しそうで……。では次特殊諜報スレンディア学院会長シルスティさんお願いします」

 「ひゃい!! 私の所はね一人性格が悪い姉妹がいるの! その子たちはかなり強いから覚悟してよね!」

 

 「あなたはいつも元気ですね。では神童カルスティア霊峰院会長シグニールさんお願いします」

 「私の学院は毎年ほぼ優勝をしています。だが今回は時空を扱う事ができる最強の生徒が我学院に入ってきてくれました」

 「ひゃい! 時空はかなり強いからね! 楽しみだ! そしてアルスアカデミア学園さん教えてよ!」


 シルスティはカロリーヌにテーブルで体をすり寄せる。


 「そうですね。私の学園にはエリスと言う女子生徒がいます」

 「あぁ。俺は知っているぜ。俺らのサード学園島でもかなり知れ渡っている名だぜで、そいつか?」

 「いいえ」


 会場のほかの会長は目を開いた。今思うとかなりエリスは強かったらしい。


 「すこし遅れて我学園に入学した子が居るんです。その子は入学してすぐにそのエリスと決闘をしてあっさり勝ってしまっています」


 カロリーヌの発言で会長たちがさらにざわつく。ほかの学園島でもかなり有名な光のエリスをそんなあっさりと倒していしまうなんて普通の考えじゃまず出ない。


 「そして今度あるドミニオンにエリスと一緒に出場します」

 「ひゃい! それはまずいね! みんなどんな制限がいいかな?」

 「私は別に制限がいるとは思いません。だがその新入生は非常に興味深い」

 「で、では私の学院の産物である。力弱の指輪はどうでしょう?」


 エルネスタが提案をだし。皆にその力弱の指輪の効果を教え皆が納得した。そしてもうすぐ始まるドミニオンは――。


 「――面白そうだ……」

 

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