第3話決着

アツシたち三人は向かってくるモンスターを蹴散らして、山奥へと進んで行った。訓練や実戦で鍛えているとは言っても無傷というわけにはいかなかったが、ポーションや薬草で回復していよいよボスとの最終決戦となった。


さすがにボスは強く、配下のモンスターのように一蹴するというわけにはいかなかった。しかし三人のフォーメーション攻撃が上手くいき、何とかボスを倒した。周りのモンスターたちも消滅した。


三人は肩を抱き合って喜んだ。ボスを倒したことよりも、今までは人を傷つけることにしか力を使ってこなかった自分たちが、初めて人を喜ばせることについて力を使うことができた。それが何より嬉しかったのだ。


これからは人のために力を使おうと話し合いながら帰途についていると、村長、トシ、サキの三人が迎えに来てくれていた。


「おお、ありがとう。きみたちならやってくれると信じていたよ。本当に心から礼を言う」

村長は、そう言って三人を抱きしめた。


「私からも、お礼を言うわ。ああ、でもかわいそうにひどいキズね。さあ特製のポーションよ。これを飲んで全快して」

サキはそう言い、三人にポーションを配った。礼を言い、アツシたちは勢いよく飲んだ。


アツシたちは眠ってしまった。トシがアツシ、リュウ、ガクトの首を刎ねた。


「計略通りだな。異世界から頭の悪い、力の強い男たちを呼び寄せボスを倒させるという目論みは成功した」

「さすがは村長ですよね。後始末まで抜かりはないですね。生きて威張られたら、始末に悪いですからね」

「そう、元はモンスターの土地だったのをわしらが無理に奪ったわけじゃからな。ボスを倒したら他のモンスターも消滅するという呪縛をかけておいてよかったわい」

「私も色仕掛けをした甲斐があったわ。本当に好きなのは、あなただけよと匂わすのがコツなのよね」

「異世界では鼻つまみ者だったこいつらも、英雄として死んだからよかったではないか。ボスと相討ちして村を救いましたと永遠に語り継がれるだろう」

「そうですね、ここに三人の墓を立てましょう。村長、ぼく、サキの三人が力を合わせれば不可能なことはないですね」

三人は顔を合わせて微笑み合った。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

三位一体 ぴろわんこ @pirobigdog

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ