目的と手段と過程と

 悲鳴が響く。

そこは地獄絵図だった。


「男は皆殺し、女は生かして捕えろ!」

「抵抗する奴は殺せ!いいな!」


 村にいた男は次々に殺され、女は逃げられずに捕らえられていく。

人が死体に変わっていく光景。

そしてそれをただ見ていることしかできない自分。


 一人の男がこちらに気づいたようだ。

仲間に何かを言ってこちらに向かってくる。

「嫌、止めて、来ないで」

懇願するも無駄だった。


「へっ、見つけたぜ。こんなところにいやがったか、手間かけさせんじゃねえよ」

「嫌、離して!」

男の腕を振りほどこうと必死に抵抗するが振り払えない。

このままじゃ。そう思い諦めかけたその時。


音が響く、何かが近づいてくるのがわかる。見えたのは…光?

そして次の瞬間には私の掴んでいた手を残して消え去った。

「え?」


 光が次々に現れる。その光は人間たちを襲う。

光は人間を飲み込むと通り過ぎ去った後には何も残っていない。

村の入り口、そこを見ると銀髪の獣人が居た。



「ここか」

 女には場所だけ教えてもらい遅いのでほっといてここまで来た。

私が来た時には村は半壊していた。

死体と人間と捕えられた奴ら、酷い惨状と言うべきか。

分かっていない事だらけだが、今ここで人間を殺すのに間違いは無いはずだ。


「【九天衝落】」

九つの光は村にいる人間を飲み込む、次々に標的を決め襲いそして何も残さず消し去った。悲鳴を上げる暇も無く。

だが一人生きている人間が居るようだ。


「貴様か、生き残りは」

「な、なんだ。お前は一体」

「話す気は無い、死ね」

人間の上空より光が一点に降り注ぐ。

それは人間に直撃し人間の体を貫く。穴だらけになった体は地面に倒れ伏す。

どうやら終わったらしい。


そう考えている時。

「はぁはぁ、ようやく追いついた」

息を切らせながらあの女が近づいてきた。

「遅いな、もう終わっているぞ」

「ちょっと待ってよ」

「知った事か」


馬車がある、その中には檻があり

手首を縄に縛られ並べられている女たちが居る。

さて、こいつらはどうするかな。

「ひっ、来ないで」

「みんな!私よ、ノアよ」

怯える女たちは声を聞き安心した様子になる。

「ノ、ノア!」「もう大丈夫、人間はいないから」

その言葉を聞いて各々が安堵の声を上げる。


「おい、お前ら。まず、ここから出たらどうだ」

「……」

女たちは素直について来る。




「ひ、ひどい」

 目の前に広がる光景を見て思わず声が出ている。

胸を貫かれた者、下半身が無くなっているもの。

無残な姿に変わり果てた村の者たちが居た。

安堵をしたのもつかの間か今度は悔しそうに涙を流す者とこらえる者。


「……どうして、私たちが何をしたの」

「……うぅ、お母さん」

「お父さん……」


 泣き出す者もいれば死んだ両親を呼ぶ者もいる。

そんな中私は一人の女の方に目を向ける。

いや、奪われたという方が正しいだろうか。


涙をこらえているようだが頬からは水滴が流れて、手からは思い切り握りしめたのか血が流れている。

「……殺してやる、人間」

憎しみに満ちた声でそう呟いている。

似ているな、私もそうだった。

…………こいつらがいるな。



「助かってから早々で悪いがお前たちは奴隷になってもらう」


「?何なんて」


「助けた対価だとでも思ってもらえばいい」

「でも、それじゃあ何も変わってないじゃないの」

復讐を叫んだ女が叫ぶ。まあ当然だ。


「勘違いするな、お前たちは私の為に動いてもらう。私の奴隷になるんだ」

「何を言ってるの?あなたのために働くってこと?」


「そうだ」

「ふ、ふざけないで」

「聞け。私の目標はある国の滅亡させることだ。その為にお前たちが必要だ」


「人間の国?」

「そうだ、お前たちもしたいんだろう。復讐」

話を聞いて女の顔が笑みになるのが分かる。それはどす黒い笑みだ。


「渡りに船ってところかしら」

「皆、私はこの獣人の話を受けるわ」


「本気なの?そんな危ない事」


 周りの女たちは不安そうにしている。

私は一番初めに会った女に視線を向け。

「ノアと言ったなお前は約束を守れ」


「ええ、分かったわ。貴方の為なら何でもする」

その後結局全員が同意して話がまとまった。


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私生活が忙しくて焦って書いています。

いつか絶対ここは書き直します。

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