キドリントンから消えた娘

 推理小説が好きを通り越して、あるいは逸脱して推理が好きというかたにオススメなのがコリン・デクスター。あぁでもない、こうでもないとハードに仮説をいじくります。



   ???シンキングタイム???


 固有名詞問題、今度は地名です。キドリントンねぇ。有名な場所なのだろうか。ベーカー街以外はイギリスに興味が薄い私からすれば、この作品でしか知らないけど、キドリントン。ホームズは何度も読んでるけど、聞いたことないなぁ。ダートムアとかハムステッドはあるけど。クリスティは全部読んでないけど、こっちでも出てこなかったような。そもそもイギリスなんだっけ、キドリントン。

 まぁいいや、音の響きでいこう。“kidrinton”かな。“R”じゃなくて“L”なのかもしれんけど、文字で見ただけで耳で聞いたことがないから判断がつかん。まぁ耳で聞いたところで違いがわからんのだけれど。

 次、「娘」。これはわかる。英訳企画のシーズン1でジョセフィン・テイの『時の娘』を取り上げたし、それ以前に基本単語だろ。中学校で習うような。“daughter”。そうそう、これ、“ター”なのに“T”じゃないからテストによく出て、“ディーエーユージーエイチティーイーアール”と口に出して覚えたな。

 仕上げは「から消えた」か。要素が二つあるな。「から」と「消えた」。

 まぁ「から」は“from”かなぁ。これ、誰々からの手紙みたいな人「から」以外に場所も使えたよな。あ、「ラブレター・フロム・カナダ」って歌があるからよさそうだ。

 最後は「消えた」か。これもミステリ頻出単語なんだよなぁ。シーズン1でも出てきているんだよなぁ。確か『消失!』を引き合いに出して余談をしたような……



 というわけで

【The Daughter Who Vanished From Kidrinton】

 で、どうでしょう?



 正解は

【Last Seen Wearing】

 でした。



 おう、そうきたか。かすってもいないぞ。

 というかキドリントンはどこだ? 娘はどこに消えた?

 ネットで翻訳してもらおう。えーとなになに「最後に着ているのを見た」とね。

 そうだよな、あの「安心して下さい、履いてますよ」の“I’m wearing punts”の“wearing”だよな。そうだと思ったんだよ。

 一応、“wear”をチェックしてみよう。うーん、新しい発見はないぞ。



   ★★★作品情報★★★


 キドリントンから消えた娘(コリン・デクスター著/大庭忠雄訳/ハヤカワ・ミステリ文庫)


 デクスターも作者の名前がすっと出てこなくて焦りました。続けて読むには脳への負荷が大きいパズラーですが、たまにこういう濃い味というかソースをこってりどっぷりつけた本格ミステリを欲するときがあります。



 !!!単語!!!


 inspector 失踪する

 fade (光・音などが)(次第に)消えていく

 disappear (視界から)消える 失踪する

 vanish (目に見えていたものが)(~から)消える、見えなくなる

 die 消滅する

 wear を身に着けている

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