春風

青々した木々が 風に揺れ

生あったかい風が 私の頬を撫でる

春風は夏を呼び起こし 気持ちの良い夏が目を覚ます

私の持っていた飴玉は 春風にさらされ

夏の陽気と共に ゆったりと溶けゆく


階段を登って 深呼吸をする

すると春風が 私の肺に入る

あまりに急だったもんで 私はむせてしまった

反省したような面影で 春風は過ぎ去っていく

私は何と声かければ あの子は

あんな顔をしないで済んだのだろう

僕はそっと 君の跡を追った

君の生暖かい残り香


青々した木々は 日に日に夕日に染まってく

春風は 今でも僕のそばにいる

君の生暖かいような 冷たいような

冷たいような 生暖かいような

そんな風は 今でも吹いている

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