パンティの呪い/The Curse on the Panties (後編)

仁島「リホちゃんの事、好きなんやったら、そんなヘンタイな事せんと男らしく告白しーや!」

ゴラァ(╬︎☉︎д⊙︎)=◯︎)`д゚)・;’



ダリ「べ、別にそんなに好きとちゃう!!」


 ぼくの好きなんは、キミや! でもキミはお隣のA棟やから、物理的にパンティ盗まれへんねん! 

 ダリヲ少年はそう叫びたかった。



仁島「ほんなら、何で盗んだりするんよ?」

(*`へ´*)



ダリ「つ、ついなんとなしに……ゴメンなさい……」

(-。-;


仁島「まぁ……ドジーくん、盲腸で入院してる言うたの嘘やけど。女の子のパンツなんか盗んで、一体何をしてるん?」

(-_-;)


ダリ「うっ……」Σ(゚д゚lll)


(勿論、性的な好奇心もあったが、開き直って女装してたドジー君がつくづく羨ましくて……)



仁島「私だけに正直に言うてくれたら、チクるんやめとくか考えてもええよ」

ψ(`∇´)ψ


ダリ Σ(゚д゚lll)「……けっ、汚れなき乙女のパンツを被り、願い事を3回言えば、運命のフォーチューン精霊さまが願いを叶えてくれるんやー!!」


 唐突に出たでまかせであった。


ダリ「澁澤龍彦の『黒魔術の手帖』にそない書いてあってん!!」

(☆︎Д☆︎)カッ‼︎


 勿論、そんな事は書かれてない。



仁島「……ダリヲくんは何を願ったん?」

Σ(゚д゚lll)


ダリ「志望校に受かりますようにって」

(=゚ω゚)ノ


仁島「・・・・・・」



ダリ「ん? 仁島? どないしたん?」



仁島「わ、私もやってみる!」



ダリ「え━︎━︎━︎━︎━︎━︎━︎━︎ッ!!」

((((;゚Д゚)))))))



仁島「……被ったよ、これで願い事言うたらええんやね?」


 電話ごしなので、仁島さんがパンティを被ったのかは見えてはなかった。


ダリ(心の叫び)ま、マジか!!

((((;゚;Д;゚;))))カタカタカタカタカタカタカタカタカタ


仁島「◯◯高校受かりますように!……」



 仁島さんは、自身の履いてたパンティを脱ぎ、それを頭に被ったらしく、律儀に願い事を3回言った。


 その時、咄嗟にダリヲは、かなりアホウな事を力強く言ってのけた。


ダリ「に、仁島!! ぱ、パンツってどんなニオイ? どんなニオイ?」

!(◎_◎;)


仁島「えっ、えっ、えーと、美容室のニオイみたいな感じ?」

 律儀に答えた仁島さん w


 その直後、受話器から仁島さんの母親の声が聞こえた。

「チヒロー! あんた一体なにしてるんよ!」



 中学生というのは、バカなのは決して男子だけでなく、女子もやと思った。


 *



 ダリヲ少年は、高校に上がってからは、安い散髪屋から美容室へと行くようになった。


 そして、仁島さんが言ったパンティのニオイはどんな感じか理解した。


 ツーンとした、パーマ液のニオイがパンティのニオイなのだと!


 それ以来、ダリヲは美容室で頭を洗ってもらう時、椅子がリクライニングし、股間がどうにもテントを張ってしまいそうになり、その都度、映画『悪魔のいけにえ』のレザーフェイスやドジー少年の顔を想い浮かべ、股間をなだめたりと必死だった。


 それでも、頭を洗ってくれてる美容師のお姉さんのオッパイがボンボンと顔に当たったりすることもあり、如何ともし難い……。

 

 最近では、男の美容師を指名してるんでそういう事もなくなった。


 ハタチになる頃、彼女というものが出来、パンティのニオイは、実は美容室のニオイとも違ってる事も知った。

  

 だがしかし、初恋?の仁島チヒロさんが言った「美容室のようなニオイ」は忘れられる事が出来なかった。



 美容室に行く都度、仁島さんを思い出してしまうのだった。



 〈完〉

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