思春期に揺れる性(すこしBLくさいかも?)その3

 中学に上がって暫くし、私は大好きなプロレスを封印してしまう時、日若くんとの関係も大変だった。


 勿論、私の本当のことは話せない。

 プロレスに興味なくなったと言うしかなかった。

 だから、プロレスごっこもしたくないと。


 そう話すと、日若くんは泣いてしまい困ってしまった。

「もう中学だから、プロレスごっことか恥ずかしいやん」

 となだめだりした。


 日若くんとはその後、少し距離を置いて接していた。

 やはり、彼は口を開けばプロレスの話ばかり。

 例えば、ダイエットのため、スイーツを食べるの我慢してるのに、目の前で、美味しそうなパフェを食べてるみたいな羨ましさだった。

 プロレスの黄金期に……ぐぎぎ。


 でも、日若くんも次第にプロレス以外のことにも興味持つようになり、洋楽を聴き始めていた。

 彼はカルチャークラブのボーイ・ジョージがすっかり好きになっていた。


 私は、名画座に時折り行くようになって、ようやくそこで、好きな、自分にとってのアイドル的な存在が出来た。

 女優のフィービー・ケイツだった(結局、写真集は出なかったが、大量の切り抜きが現存している) 


 中学3年の水泳大会の時に、ようやく同級生の女子って実はエロいからだをしているのだと知った。

 少し気になってる女子限定だったけど。


 その女子に、何かしら用があって声を掛けた時だった。

「そんなに側で見んといて〜」と恥ずかしそうに言いながら、しゃがみ込んだ。


 その時の私の脳内では──スク水の女子→恥ずかしい→つまり、エッチなかっこしている→私はエッチなものを見ている……という連想が行われた。


 恥ずかしそうに『見んといて〜』と言われたことで、ようやくスイッチが入った。


 しゃがみ込むと、腰のラインが更にエッチになった。


 恥ずかしそうに『見んといて〜』が無ければ、私は同級生の女子にエッチなものを感じるのがもっと遅れてたと思う。



 日若くんとは、小6の新学期から中学卒業までの間、接する機会が多かったが、高校は別々になり、たまに会うことがあっても、次第に疎遠になっていった。


 おまけに私は高校を卒業すると、上京してしまった。

 

 東京の専門学校で、2年になると、下級生の女子がよくうちに遊びに来るようになった。


 その女性に、やはり色々おかしいと突っ込またりした。

「女の子の友だちと一緒に居るみたい」

 とよく言われた。


 言いながらも、結局、その女性は私と交際してくれて、人並み(?)に夜の生活も送れるようになって来ると、また心のどこかで日若くんのことが引っかかり始めた。



 中学を卒業して、高校入学を待ってる間だったと思う。


 その時に、彼にエロ本(アクションカメラだったかな)を見せたことがあった。


 彼は、エロ本をめくりながら眺めてるのだが、本当に興味なさそうだった。



 その時のことを思い返したりして、彼はゲイだったんじゃないのか? とようやく思った。


 私とのプロレスごっこが、彼にとってオナニーみたいなものだったとか?

 彼はその頃、割と粘着質だったな、と。

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