文体は童話、されど童話のみにあらず。

まず、上に書きました通り、文体は童話で小学校低学年くらいのお子様でも理解は易しいです。小学校の図書室、図書館の児童書コーナーに並んでいても、けだし違和感はありません。しかし、内容は非常に深く一度拝読するだけでは理解しきれないかもしれません。

飛鳥と男の子の平和が描かれてから大切な事を忘れてしまった大人達を描く事で、成長と共に失われてしまう何かをありありと描写されています。
中盤ではその大切なものを忘れた事による暗い展開があり、このまま終わってしまうのかと思われたところで、新たな純粋さが現れ、飛鳥の魂?を見出しますが、最後が難解でしたので、解釈が難しいです。

祟りとも取れますが、最後の穏やかさから僕には到底そうは見えませんでした。男の子を犠牲に、飛鳥の加護が無数になった?ですかね。
皆様もそれぞれ多様な解釈ができる本作を是非ご一読ください。