第30話 お祭りの翌日

夜精霊の森を訪れて、妖精たちとお話ししてから私たちは手を繋いで帰った。



家ではお祖父様とお祖母様が待っていて、私たちを歓迎してくれた。



「マリア楽しかったかい?」




優しく微笑むお祖父様に私は



「はい。とっても。」


と笑顔で返した。



昨日森を後にするとき、1人の長老のような精霊に、



「気をつけなさい。危機が迫っている。」




とサイラスと共に言われた。



サイラスは神妙な顔をして、わかったと答えていた。私はその話の意図が分からず、少し困ってしまった。







朝になると、いつものようにアリーナに起こされ、昨日は、ジャスミンがよく喋ったので、ラルクと私は少し寝不足気味だった。




「まだねむーい。」


と甘えた声で言うジャスミンと



「はぁ。疲れが取れなかったな。」



と落ち着いた様子のラルクが言った。ラルクはお祭りには行かなかったが、それは良かったのかもしれない。ラルクは今のところお祖父様とお祖母様とイリーナだけにしか教えていない。ラルクが怪我して助けた過去からもし生きていると気づかれラルクが危険に晒されるかもしれないからだ。




常に落ち着いたラルクは、安心できるが、ラルク自身強いのにあれだけ怪我をした状態で、罠にかかっていたからなんらかの原因があるのだと思う。





昨日長老が言っていたあの言葉と通りで助けた方が言っていたあの言葉。どちらも気をつけらと言うことだったがどう言うことかしら。




私はそんなことを考えながら朝食会場へ向かった。




そこにはすでにお祖母様とお祖父様がいた。






「よく眠れたかい?」


朝のトマトスープを飲んでから、お祖父様が優しく私に聞いてきた。



「少し寝不足気味です。ジャスミンが遅くまでお話ししたがったので」


と笑って答えると、お祖母様が



「あら、ジャスミンはお祭りではしゃいで眠れなかったのね。可愛らしいわ。」


優しく笑い、ジャスミンの方を見た。



ジャスミンは少し照れたように、笑っていた。










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