一途過ぎる吸血鬼彼女と過ごすとある休日のASMR

黒ノ時計

吸血鬼の彼女と過ごすとある休日

(注釈)( )は環境音、(※)は「あなた」の台詞です。


(ピンポーン……。ガチャ)


「あら、いらっしゃい。待ってたわよ。待ちきれなくて、こっちから迎えに行こうかと思ってたくらい。さあ、上がってちょうだい」


(ドアの開閉音)


「外、暑くなかった? まだ、七月前だけど、どうしてか暑いのよね」


(※言われてみれば、少し暑かったかも)


「でしょ? 今、冷たい飲み物を用意するから、先に部屋に行ってて。私の部屋の場所は二階の奥……って、もう知ってるか。ほら、何ぼーっと突っ立ってるの? 早く上がっちゃってよ」


(※ごめん、いつも以上に私服が可愛かったから見惚れてた)


「ちょっと、何言いだすの……。その、あ、あなたも、その……。か、格好いい、よ……?」


(※ありがとう。お邪魔します)


「何、その余裕そうな顔……。(小声で)今日は私があなたを甘やかすって決めてたのに不意打ち何て……」


(※何か言った?)


「ううん、何でもない! すぐ部屋に行くから!」


~~「あなた」が彼女の部屋に入ってから、暫くして~~


(扉の開閉音)


「お待たせ。お茶で良かった?」


(※うん、ありがとう)


「どういたしまして。じゃあ、机の上に置いておくから好きな時に飲んで」


(二つのコップを乗せたおぼんを机に置く音)


「さて、それじゃあ……。あなたの隣、座っちゃうね」


(足音→衣服が擦れる音)


「ねえ、最近仕事はどう? 上手くいってる?」


(※まあ、そこそこはね)


「そっか。それなら、良かったんだけど……。最近、ちょっと疲れ溜まってない? 今日だってほら、目の下に薄っすら隈ができてる」


(※う~ん、言われてみれば、ここ数日は特に忙しかったかも)


「でしょ? それでね、今日のデートの場所を私の部屋に選んだ理由なんだけど……。私たち、いずれは、ほら……。結婚、するでしょ? だから、ね。疲れてる旦那様に奉仕するのも妻の役目なのかな、と……」


(※つまり?)


「皆まで言わせるなんて、意地悪な人……。要するに……。(耳元まで口を寄せて)お仕事の疲れ、私が癒してあげるって言ってるの。(少し離れて、首を傾げながら)駄目?」


(※全然、駄目じゃない! ……お願いします)


「最初から、素直にそう言えばいいのに。というわけで、今日はいつも仕事を頑張っているあなたのために……。じゃ~ん、こんなものを用意したの」


(※耳かき?)


「そうそう、耳かき。私、人に耳かきしたことってないから、一回くらいやってみたかったのよね。ほら、人からされると気持ち良いって聞くし、どうかなって思ったんだけど。どうする?」


(※じゃあ、試しにお願いしようかな)


「はーい。じゃあ……、私の膝を枕にしてゴローンってして」


(「あなた」が少しみじろぎしてから頭を上にして寝る)


「ちょっと、それじゃあ耳かきできないでしょ。あ、それとも、彼女の……む、胸の谷間を見たかったとか?」


(※うん、見たかった)


「もう、あなたったらスケベさん。見たかったら、いつでも見せてあげるわよ。だからほら、今は横になって頂戴」


(素直に横になる)


「はい、お利口さんね。じゃあ、まずは右耳からね。耳の外側から、丁寧に掃除していくからね。この、耳の溝のところをコリコリってかいて~……。それから、溝の部分へと少しずつ、筋をなぞる様にして動かして……」


(体をビクンとさせる)


「ひゃう! ど、どうしたの? 体を急に跳ねさせて……。痛かった?」


(※ごめん、気持ち良過ぎて反応しちゃって……)


「気持ち良かった? そ、そうなの? でも、良かった。私の耳かきで、ちゃんと気持ち良くなってくれてるんだ。体は正直で偉いね~。そうそう、あなたは誰かに耳かきされたことってあるの?」


(※お姉ちゃんがいるから、偶にしてもらってたことがある)


「ああ、お姉さんね。綺麗な人だよね、あなたのお姉さん。黒髪で~、体のラインがくっきりしてて~、モデルみたいに身長が高くて~、それで足とか腕が細くて、色白で。おまけに、凄く大人な性格してるから人気もあるだろうし」


(※でも、僕はお姉ちゃんよりロニエの方が好きだ)


「す、好き!? お姉さんより!? ……う、うん。私も、その……。あなたのことは好き、だよ? でもさ、あんなお姉さんが身内にいたりしたら、その……。他の女の人を好きになるのは難しくないのかなって、思ったりして? どうなの、その辺は」


(※容姿も重要だけど、性格も大事)


「容姿も重要だけど性格も大事、ね……。そう言えば、あなたが一番最初に告白してきたとき、「容姿が好みで、一目惚れでした!」って言ってたっけ。私って、その吸血鬼でしょ? だから、生まれつき肌が白くて、赤い瞳で、髪も黒色に少し白髪が混じってて、おまけに八重歯もあって、む、胸もそこそこ大きいし、スタイルもちゃんと維持してるから割と容姿に自信はあった方なの。そうしたら、私を口説こうとして告白してくる男性連中は「好きです! 付き合ってください!」って言うんだけど、その後に、「どこが好きなんですか?」っていうと、気を引きたいのか特に接点もないのに「品行方正」とか「皆に優しい」とか「真面目」とか言ってくるの。もちろん、容姿を褒めてくれた子もいたけれど、やっぱり内面とセットで言うのよね。でも、あなたは違った。「性格の方は、付き合っていくうちに知っていきたいです!」って言って、「お試しでもいいから!」ってゴリ押しでね。何だか、可愛くてつい乗っちゃったけど、こうして今も付き合ってる。それは、きっとね……」


(耳かきの手が止まり、急に息遣いが耳元で聴こえてくる)


「飾り気のない、あなたの情熱が私に伝わったの。そういうところ、本当に素敵よ」


(咄嗟に動こうとして、身動きが取れないことに気づく)


「あら、急に耳元で囁かれてビックリした? でも、逃げちゃ駄目でしょ? 知っての通り、吸血鬼って力が強いから。軽く、左手をあなたの体に添えるだけで、動けなくなっちゃうんだから。それに、耳かきの本番は中をやることでしょ? ほら、じっとしてて。急に動くと、耳の中を傷つけちゃうかもしれないから。分かった?」


(※う、うん。分かった)


「(頭を撫でながら)よし、良い子だね。(頭を撫でるのを辞めて)じゃあ、奥、やってくね。はい、コリコリ~、コリコリ~。こうやって、内側を円を描くようにしてなぞっていって~、ゴミをかき出すときは少しくすぐるようにして刺激してあげる」


(※くすぐったい)


「くすぐってるんだから、当たり前でしょ~。ほら、奥の方もしっかりと撫でまわしてあげて~……。どう? 気持ち良い?」


(※気持ち良い)


「良かった。……はい、じゃあ次は梵天でポンポンってするからね。綿をこうやって、耳の上から優しくバウンドさせて……。はい、じゃあ最後の仕上げ。(耳元に口を寄せて)ふぅ~~」


(※ひゃん!?)


「あ、女の子みたいな声を出して可愛い。こうやって、ふぅ~~……ってされるの、癖になっちゃう?」


(※もう一度やってほしいかも)


「だーめ、これは仕上げって言ったでしょ。サービスは、耳一つにつき一回まで。ほら、反対向いて。こっちの耳も、しっかり掃除してあげるからね」


(ゴソゴソと動いて反対を向く)


「はい、じゃあ反対の耳も、まずは耳の外側から順番にやってくね。筋に沿って、カリカリ~っとして、少しずつ気持ち良くなっていこうね~」


(※ロニエ)


「ん~? どうしたの~?」


(※ロニエは耳かきをされたことはあるの?)


「私の耳かきの経験? ん~……。ないかな。いつも自分でやってる。ほら、私は兄も姉も、妹も弟もいないし、お母さんとお父さんは家にいないことの方が多かったし。だから、まさか男の子の耳をかいてあげることになるなんて、一年前は思ってもみなかっただろうな~って」


(※僕も、耳をかいてもらえることになるなんて思わなかった)


「そっか、君もこんなことしてもらえるなんて、思ってなかったんだね。なら、良かったね~。こんな綺麗な美少女の膝の上で耳かきしてもらえるなんて。それもこれも、あなたが勇気を出して告白してくれたおかげ。本当に、ありがとね」


(※こっちこそ、ありがとう)


「ありがとうって、何が?」


(※僕と付き合うことを選んでくれて)


「うふふ、どういたしまして。本当、あなたと付き合えてよかった。あなたってば、何かパッとしない男の子かなって思ってたら、実際は凄く優しくて、不意打ちで褒めてくれたりとかもしてくれて、凄く格好いいし……。逆に、今までどうして独り身だったのか不思議なくらい。ねえ、あなたって告白されたことはないの?」


(※学生時代に一度だけ)


「学生のときに? どんな子に告白されたの?」


(※クラスメイトで学校のマドンナって呼ばれて女の子)


「え、マドンナ? そんな子に告白されたことがあるんだ……。ふーん……?」


(急に耳の穴の奥をゴリゴリとされる)


(※ロニエ、ちょっと耳かき強くない?)


「強くない、強くない。絶妙な力加減で、ゴミを掃き出してあげるからね~」


(ゴリゴリゴリゴリゴリゴリ)


(※そんなドリルみたいにしないで!)


「ドリルくらい強くすれば、ちゃんとゴミが取れるかなって思ったんだけど……。っていうのは冗談で、本当はちょっと嫉妬した。ごめん」


(※ううん、全然気にしてない)


「本当に気にしてない? 私、だいぶ独占欲が強いから……。他の女の子と仲良くしてるのを見ただけでも、妬いちゃうんだけど……」


(※君がそれくらい、僕を思ってくれてるってことだと思ってる)


「あなた……。本当、そういう優しすぎるところがいけないんだよ。もっと好きになっちゃうじゃん。ほら、梵天で耳をポンポンってするね。はい、さわさわ~、さわさわ~。ポンポン、ポンポン、ポンポンポーン……っと。さあ、お待ちかねの~……。(口をあなたの耳元に寄せて)ふう~~~……。ふぅ、ふぅ~~~……。(耳から離して)はい、お終い。あなたが私を好きって言ってくれたから、ちょっとサービスしちゃった。どうだった?」


(※控えめに言って、最高だった)


「控えめに言って最高、か。十分過ぎる評価だよ。また、してあげるからね。それで、さ。マドンナさんに告白されたとき、どうしたの? やっぱり、一度は付き合った?」


(※ううん、付き合ってない)


「え、付き合ってないの? どうして?」


(※受験が控えてるからって断った)


「あ、受験の時期だったんだ……。そうしたら、何て言われたの?」


(※それなら諦めるって言われた)


「あっさり引き下がったんだね。理由は聞いた?」


(※私より受験を取るなら、たぶん上手くいかないだろうって)


「受験と彼女って言われると難しい問題だけど、受験の方が大事だよ。本気で好きなら、受験が終わってからとか、そういう選択肢もあっただろうに……。けど、良かった」


(※良かった?)


「うん、だってさ……。(あなたの耳元に近づいて)あなたが私と付き合えてるのおは、あなたが告白を断ってくれたからだもん。(耳元から離れて)きっと、今頃はそのマドンナさんも悔しがってるかもね。こんな良い男を一時の感情で逃すなんて」


(※誉め過ぎだって)


「褒め過ぎなんかじゃないよ。むしろ、まだ足りないくらい。だから、今日はもっと、もっと癒してあげるからね」


~~再び、隣同士で座ってお茶を少し飲んでから~


「ふう~、小休憩も終わったし、次は何する? 何でも言って。私にできることなら、何でもしてあげる」


(※じゃあ、一つお願いしてみてもいい?)


「何? 何かしてほしいことがあるの?」


(※その……。ちょっと言いにくいんだけど…)


「言いにくいって、私とあなたの仲でしょ? 今日はあなたを全力で癒すって言ったじゃない。だからほら、遠慮せずにどうぞ」


(※……耳舐め、してほしい)


「え、耳舐め……? もしかして、この間、あなたが聞いてた……え、えっちなあれの音声の? 私、あそこまで、その……。上手くできるか分からないよ?」


(※ということは、やってくれるの?)


「うん……。そういうのが好きっていうのは、もう知ってるし……。いずれ、私の方からやってあげようかなって思ってたところなの。まさか、こんなに早く機会がやってくるとは思ってなかったけど……。いいよ? じゃあ、その……。さ、最初は、じゃあ……。耳の外側……。耳たぶからでもいい?」


(※……うん。よろしくお願いします)


「じゃあ、失礼して……。あむ、あむあむ……。耳たぶ、柔らかいね。こうやって、まずは唇で吸い付くようにして……。はむ、あむ……」


(※凄く気持ち良い……)


「おんとう(本当)? いああっあいいあい(痛かったりしない)?」


(※うん……。むしろ、もう少し強くしてくれていい)


「もう少し強く? そんなこと言って良いの? 私、吸血鬼だし……。あなたから時々血を貰うときにも言ってるけど、割とSっ気が強いから、気分が乗ってくるとやり過ぎちゃうかもしれないって。いいの? 本当に?」


(※お願いします)


「……忠告、したからね? ……がぶ、がう、がう。あむ、あむ、~~~ちゅぱ。どう? 気持ち良いかしら? 私、ちょっと興奮してきたかもしれない……」


(※最高です)


「何で敬語で? でも、最高ならもっとしていいってことよね? でも、耳たぶばっかりってのも芸がないから……。この調子で、耳の渦巻に舌を這わせていくわね。じゅるるるるる……ちゅぱ。ぺろ、ぺろ……。レロレロレロレロ……。どう? 舌先で、ぺろぺろって筋に沿ってなぞられると……。電気が走ったみたいに気持ち良くならない? それとも、これくらいじゃ感じない?」


(※もう十分過ぎるくらい感じてる)


「こんなので十分? もう満足してるの? だとしたらぁ……。この先、きっと耐えられないかもしれないわね。だって、耳舐めって……奥の方をやるから、気持ち良いんでしょ? 私も音声を体験して勉強してるから、分かるのよ。本当に気持ちが良いのは、こ、こ、か、ら。(あなたの正面に来て、舌をべーっと伸ばしながら)見て、この舌。凄く長いでしょ? 吸血鬼たる私は、人間よりも舌の長さだって長いから、奥の奥まで届くの。きっと、音声なんて比べ物に……。ううん、本当に耳舐めされるよりもずっと気持ちが良いはずよ。覚悟はいい?」


(※もう少し心の準備が必要かも)


「心の準備? 今更、怖気づいたの? やってほしいって言ったのは、あなたの方なのに?」


(※想像以上に気持ち良かったから、一旦落ち着きたい)


「落ち着いちゃったら、醒めちゃうじゃない。熱があるうちに、楽しみましょう?」


(※ちょっと待って)


「待、た、な、い……。(舌先を耳奥に入れて)じゅるるるるるるるる……」


(※ひゃあああああ!?)


「あはは、良い声……! どうしよう、最初は恥ずかしかったのに、段々征服欲が出てきて楽しくなってきた……! もっと、もっと奥まで……。じゅるるるるるるる……。レロレロレロレロ……。じゅるる、じゅるるるる、じゅるるるるるるる……ん~ちゅ。どう? 耳奥をほじられて、耳穴にキスされて……。ほら、もうこんなところにキス痕、付いちゃった。私、今日はちょっと気合を入れておめかししたから。でも、いいよね? あなたが私の物だって証、いっぱいつけても」


(※そ、それは……)


「何、嫌なの? それとも恥ずかしい? 大丈夫、何事も恥ずかしいのは最初だけで、慣れたらそれが当たり前になるだけだから。じゃあ、続き、するわね。(麺を啜る様に)じゅるるるるるるる……。(舌先を細かく振動させて)レロレロレロレロ……ちゅぱ。どう? あなたの望む耳舐めとやらはできてるのかしら?」


(※想像以上に良いかも)


「お気に召したようで何よりね。さて、じゃあ反対の方も失礼しようかしら。まずは、外側から内側にかけて溝をなぞって……。じゅるるるるるるるるるるるる……。どうしよう、段々私の方も癖になってきた。あなた、耳が敏感なのね。ちょっと舐めるだけで女の子みたいな嬌声を上げて、顔を真っ赤にして……。あらあら、息も上がってきてるわね。私、まだ耳を舐めてるだけなのに、興奮してるの? じゃあ、もっとしてあげるから。次は、もっと奥を……、じゅるるるるるるるるるる……。じゅるる、じゅるるる、じゅるるるるるるるるる……。レロレロ、ベロンベロン、ベロン……。ほら、こうやって舌の表と裏に満遍なく唾液を塗りたくって……。私というう存在を頭の中へ快感と一緒に刻み込むように……。じゅるるるるるるるるる……。ちゅぱ。ちゅ、ちゅ、んちゅ……。ここで、耳にふぅぅぅ……」


(※!????)


「はやああですって、もう可愛すぎ! じゃあ、こういうのはどう? 私のお口を思いっきり開けて……、耳をぱくっ……!」


(※どうして耳を咥えて……)


「じゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる……! ちゅぱ……。どう? 人間じゃあ、耳を咥えこんだら舌が耳奥まで届くことはないけど、私なら咥えた状態でも耳の一番奥まで舌先が届くの。……あら、白目剥いちゃって、意識がもう飛びかけてるのね。なら、このまま気持ち良い天国まで案内してあげる。昇天しなさい……。じゅるるるるるるるるるるるる、じゅるるるるるるるるるるるる、じゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる! じゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる! ……ちゅぱ、ご馳走様でした。ちょっと、やり過ぎちゃった。恍惚とした表情で、もう私にメロメロになってる……。それなら、このままもっと気持ち良くなりましょう? 立てる? 腰も砕けて無理? なら、私がベッドに連れてってあげる。続きは、そこでしましょうね? うふふ……」


~~あなたはベッドまでお姫様抱っこされて連れていかれる~~


「はい、ベッドまでご案内~。じゃあ、私もあなたの上に覆いかぶさるわね」


(ギシっとベッドの軋む音)


「私さあ、今、滅茶苦茶興奮してるんだよね~……。あなたが耳舐めなんてプレイさせて、勝手に気持ち良くなって、えっちな喘ぎ声をあげるものだから私も気分が載って来ちゃった……。だからさあ、いいよね? あなたの血、今、とっても吸いたい気分だから……。吸っちゃうね?」


(※待って、今されたらもっと感じちゃうかも……)


「もっと感じる? ああ、そうよね。吸血鬼の吸血行為は、食事をするってだけじゃなくて対象に「もっと吸われたい」って思ってもらうために快楽物質の分泌を促す唾液を体内に注入するから……。その関係もあって、痛みが先行しないようにまずはキスで媚薬入りの唾液をたっぷり飲ませるのが普通、だものね? まあ、辞めてって言っても、やるんだけど……。口、開けて?」


(あなたは口を開けることを躊躇う)


「あら、どうしたの? 気持ち良くなりたくないの? それとも、未だに恥ずかしがってる? あなたに拒否権はないの。ほら、開けて」


(それでも拒む)


「開けなさい……。もしも、開けないなら……。ほら、私が手伝ってあげる」


(彼女に顎を掴まれて、無理矢理口を開かれる)


「ちゃんと口を開けられて良い子ね、あなた。じゃあ、私の舌、ねじ込むから……。ちゅ、じゅるるるるるるるるるるるる……ちゅ、ちゅ、ちゅじゅるるるるるるるるるるるる……。どう? 開幕早々のディープキスは? 興奮しない? ほら、舌も吸ってあげるからべーって出して。べーって」


(あなたは恍惚とした表情を浮かべながら舌を出す)


「あら、素直になってきたじゃない。媚薬が回ってきて顔が赤くなってきた……。頭の中も、まるで空に浮かぶ雲みたいにフワフワして気分が良くなってるんでしょ? さあ、お待ちかねの……。じゅるるるるるるるるるるるる、じゅるるるるるるるるるるるる……。ほら、もっと舌を絡ませて……。おうあっえ(こうやって)、えっおいお(ねっとりと)……。じゅるるるるるるるるるるるる、じゅるる、じゅるるるるるるるるるるるるる……。ちゅぱ……。ああ、美味しい……。あなたの舌、凄くいい……。ほら、唾液も飲ませてあげる。お口、あーんして。ほら、あーん……」


(あなたはできる限り、大きく口を開ける)


「良い子ね、それじゃあ早速……。(あなたの舌に唾液を落として)ほら、ごっくんして? ごっくんって。喉を鳴らして、私の唾液を余さずに。どう? 美味しい? 吸血鬼の唾液は、人間にとっては甘いらしいけれど」


(あなたは静かに首を縦に振る)


「もう、まともに返事もできないの? もう、可愛いわ。じゃあ、今度はあなたのを頂戴。お口の中にグチュグチュって唾液を溜めて、私に飲ませて欲しいの。できる?」


(こくりと頷く)


「(頭を撫でながら)良い子、良い子……。じゃあ、やってみて。グチュグチュ……。口の中を溺れさせるくらい目一杯唾を溜め込んで……。さあ、飲ませて頂戴、ね……? じゅる、じゅるるるるるるるるるるるる……。じゅるるるるるるるるるるるる……。んあ……。はあぁ~、美味しいわ、あなたの唾液……。絶対に、誰にも渡さない。あなたの体も、髪の毛も、耳も、その体に流れる体液の一滴、一滴に至るまで……。私のものだって証を、あなたの首から刻んであげる。じゃあ、上だけまずは脱がすわね。ほら、大人しくして……」


(大人しく服を脱がされる)


「あはは、大人しくできてお利口さんね。そうしたら、あなたの首筋に……。じゅるるるるるるるるるるるる……。ちゅぱ、どう? いきなり噛まれると思った? それとも、噛まれるの、実は期待してたりした? でも、残念。まだ、まだよ。まずはねっとりと舌を這わせて……。しっかりと、念入りに感度を高めていくわ。目一杯焦らしてからの方が、きっと気持ち良くなれるから……。じゅるる、レロレロレロレロ……。じゅるる、じゅるるるる、じゅるるるるるるるるるるるる……。レロレロレロレロ……。ちゅ、ちゅ、ん~~~ちゅ……。じゅるるるるるるるるるるるる、じゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる、じゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる……。ちゅぱ。もう、聞かなくて分かっちゃうくらい情けない声を上げちゃって……。首もかなり敏感よね、あんた……。反応が良いから、つい意地悪したくなっちゃうんだけど……。そろそろ、噛んであげようかしら? どうしようかな?」


(※は、早く噛んで!)


「あら、大きな声でおねだりしちゃって……。でも、噛んでなんて命令できる立場なの? 違うでしょ? あなたは、私にお願いしますって懇願しなきゃいけないの。それも、ただの懇願じゃないの。誠心誠意、真心を込めて必死におねだりしないといけないの」


(※どうすればいい?)


「あはは、そうねえ……。じゃあ、私の今から言うことを復唱しましょう。ちゃんと言えたら……、(あなたの耳元に近づいて)最高に気持ち良くしてあげる……。どう? できる?」


(※必死になって頷く)


「ふふ、素直なあなたはやっぱり好きよ。じゃあ、このまま耳元で囁いていてあげるから。私の言葉をゆっくり、言ってみましょうか。僕は、お耳も首も敏感過ぎて、舐められるとすぐに喘ぎ声を上げちゃう情けない男の子です。だけど、僕はそれだけじゃ物足りないので、ロニエの吸血で気持ち良くなりたいです。どうか、僕の血を飲んで気持ち良くしてください、お願いします……。さんはい」


(※あなたは少し捲し立てるように復唱する)


「ふふ、うふふ。本当に言っちゃったわね。私、吸血鬼なのに、自分の血を飲んでくださいなんて……。恋人じゃなかったら吸い殺してるかも……。(あなたの頭を撫でながら)ああ、ごめんね。怖がらせたね。大丈夫、私はあなたを殺さない……。ちゃんと、違う意味で天国まで連れてってあげる。私と一緒に、気持ち良くなりましょう……。じゃあ、行くわよ……」


(ロニエは一度上半身だけ起こして自分の牙を見せつけ、獲物を狩る肉食獣のような獰猛な笑みを浮かべる)


「じゃあ、行くわよ……。あなたの血……。いただき……ます! がぶっ!」


(首筋に一瞬だけ痛みが走る)


「じゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる……。んぐ、んぐ、んぐ……、じゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる……、じゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる……。ちゅぱ……。(溜息を吐くように)はあああああああ、美味しいいいいぃ! 本当に、あなたの血はいつ飲んでも極上の味よ! 血の味が美味しい相手は、体の相性や性格も合うって言われてるの。実際、あなたとは気が合うし、今のところ体の相性は抜群に良いし……。良いことずくめね。どう? 吸われて気持ち良い? 私の唾液が血液の中に流れ込んで、全身を駆け巡ると同時に体が熱くなるでしょう? そうして、段々、気持ち良くなることしか考えられないお猿さんになっちゃう……。でも、それでいいの。あなたはただ、私に気持ち良くされるだけで良い。そうすれば、私も気持ちよくなれるから……。じゃあ、もう少しだけ貰うわね。がぶっ、んぐ、んぐ、じゅうううるるるるるる、じゅううううるるるるるるるるるるるるるるる……。んぐ、んぐ、んぐっ……。ちゅぱ……。ああ~、うっとりしちゃう……。どうしよう、吸えば吸うほどにもっと吸いたいって思ってしまうけど……。これ以上吸っちゃうと、あなたの頭が壊れるか、もしくは干乾びちゃうかもしれないからストップ。ほら、代わりに口を吸ってあげるから……。んちゅ……。じゅるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる……。ちゅぱ。ご馳走様でした。美味しかったわよ、あなたの血も、唾液も。あなたはどうだった?」


(放心していて、口が半開きの状態で涎が口の端から流れている)


「あーあ、こんな情けなく口を半開きにして、涎まで垂らしちゃって。どれだけ気持ち良かったのよ。ていうか、あなたの体液の一滴は残らず私の物って言ったばかりなのに、どうしてそう無駄遣いをしようとしてるの? ほら、私が舐め取ってあげるからじっとしててね……って言っても、もう動けないか。じゃあ、勝手にやらせてもらうね。ほら、こうやって舌を伸ばして……。じゅるるる……。ちゅ。ああ、涎は拭き取れたけど、私ので今度は汚れちゃった。まあ、いいか。あなたは私のものだってマーキングもできたし、あなたも嬉しいわよね? それじゃあ……」


(彼女は上半身をゆっくりとはだけさせて、自分の胸を持ち上げて見せつける)


「どう? 私、着やせするから結構あるでしょ? 胸。もっと、いっぱい見て良いのよ? いえ、見るだけじゃなくて、触るのも当然……。だって、見せつけるためだけに晒したわけじゃないもの。ほら、どう? 堪能してみる気はない?」


(※触って、みたい……)


「うふふ、そうこなくっちゃ。じゃあ、ほら。たっぷりと、味わうといいわ。こうして……むぎゅーって肌と肌を密着させて……。潰れた胸が柔らかくて気持ち良くない? 大きい分、柔らかさもあるから男なら大喜びするところだと思うけど」


(※気持ち良い……)


「あら、嬉しい。ここまで来たら、もう何をするか分かるわよね? 私たちは、お互いの全てを曝け出すの。さあ、楽しみましょう。これから夜まで……。ううん、朝が来ても帰してあげないから。明日は、お仕事あるんだっけ?」


(※もちろん。明日は平日だし、普通にあるよ)


「無粋ね、それじゃあ楽しめないから……。そうだ。携帯、貸して。早く」


(あなたは携帯を大人しく渡す)


「ロックを解除っと……。あら、どうしてパスワードを知ってると思う? あなたったら、私が見ていても普通に携帯を使ってるからもう覚えてるわ。会社、今日は電話繋がるかしら?」


(※一応、繋がるはず)


「そう。なら、かけちゃうわね。……ああ、もしもし? ……そうです、彼の携帯です。私、彼の婚約者なんですけど、体調が悪くなっちゃったみたいで明日は大事を取って休ませます。自分でかけるのも難しいくらい熱があるので……。……本当ですか? でしたら、そうさせていただきます。ありがとうございます。失礼いたします。……はい、これでよし。あなたの直属の上司さんに繋がってね。相手、女の人だったわよ。あなたの番号を見て、すぐにあなたの携帯だって分かったみたいだけど……。まさか、浮気とか……?」


(※そんなことない!)


「あら、必死に否定しちゃって。大丈夫、本気で疑ってないから。ただ、私が婚約者って言ったときに言葉を詰まらせてたから気はあったのかもね。危ない、危ない……。やっぱり、私が電話して良かったわ。あなたがとても辛そうって言ったら、もう一日休みを取って良いからって言ってくれたわ。いつも頑張ってくれてるからってね。これで、今日と、明日と、明後日……。ずっと楽しめるわね」


(※ちょ、まずは休憩を……。流石に、連続は……)


「だ~~~め。逃がさないから、ね?」


~~~それから、二日が経過しての朝を迎える~~~


「……んう、おはよう。あなた。どう、調子は?」


(※も、もう無理……)


「何よ、もう無理って。ほんのちょっとハッスルし過ぎて、時間を忘れて愛を確かめ合っただけじゃない。体中をまさぐり合って、疲れたら寝て、起きたらまたする……。不思議ね、そうやってしていただけなのに、もう休日の最終日じゃない。もっと一緒にいたけれど、流石に明日は仕事に行かないとよね」


(※あ、明日なんだけど……。実は、もともと祝日で会社が休みなんだ)


「え、そうなの? 会社の休日? じゃあ、明日も休み? どうして、もっと早く言わなかったの? もしかして、このまま帰ろうとか思ってたの?」


(※言おうか迷ったけど……。僕も、一緒にいたくなったから)


「うふふ、あらら。もう無理とか言っておきながら、結局、私のことが好き過ぎて一緒にいたくなっちゃったのね。なら、ほら。こうして腕をあなたの体に回して……。(耳元に口を寄せて)ぎゅ~~~~……。どう? 何もしないで、こうやって抱き着いて過ごすのも良いと思わない? あ、でも流石にお腹空いたかも……。私たちってば、結局飲まず食わずで一日と少しの時間を過ごしたわけだし……。ちょっと残念だけど、朝ごはんにしよっか。何が良い?」


(※それなら、トーストで)


「トースト……。分かった、なら私お手製のピザトーストにしてあげる。それとも、シンプルにバターとかの方が良い?」


(※ピザトーストでお願いします)


「そう、分かったわ。じゃあ、ピザトーストにするね。付け合わせは紅茶でも良い?」


(※それで大丈夫)


「あ、でもサラダもちゃんと食べないと駄目よ? 可愛い、可愛い吸血鬼彼女が、あなたの健康を考えたレシピでお腹いっぱい食べさせてあげるから。そうしたら……。(耳に舌を入れて)レロレロ……。ちゅ。また、こうやってイチャイチャして過ごしましょう。どこかに出かけてもいいし、映画とかを見ても良いし、望むなら……。私の体、もっと味あわせてあげる。私なしじゃ生きていけないように、ね」


(※悪いけど、もうなってるから安心してほしい)


「ええっ!? もう、なってる……? そ、そう……。それは、その……。とっても、嬉しいわ。やだ、急に褒めるからまた恥ずかしくなってきちゃったじゃない。そんな素敵なあなたには……。ちゅ。ほら、おはようのキス。朝ごはんに、目玉焼きもサービスで付けておくから。うふふ、照れちゃって可愛い。(あなたの瞳を見つめながら、超至近距離で)これからも……。よろしくね。あ、な、た……。(妖艶に微笑んでから)……ちゅ」

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