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ひだまり

第1話プロローグ

「ねぇ……葵、花……。やめようよ……。バレたらやばいよぉ……それに、嫌な予感がする……」

暗闇の中、懐中電灯の光を頼りに三人の少女達が歩いていた。その中のおさげの少女は泣きそうな表情で呟いた。その前を歩くもう二人の少女が笑いながら振り返る。

「だーいじょぶだいじょぶ!!萌音は怖がりだなぁ。そもそもそんなの出るわけないし。それにわくわくすんじゃん?夜の学校なんて」

「そうそ。それに今さら戻ったって、寮抜け出してきた意味ないもん」

続けてショートカットの少女と、ツインテールの少女が言い返した。おさげの少女は深いため息をついて、二人の少女とともに渋々歩き続ける。十分ほど歩いてしばらくすると✕✕✕の前で三人は立ち止まる。とたんに三人は緊張した面持ちになる。

「これが……✕✕✕か」

ショートカットの少女が呟く。

「そうだね。……じゃあ私からやるわ。次萌音、その次葵よろしく」

「「……うん」」

おさげ、ショートカットの少女がうなずいた。

✕✕✕の前で目をつぶり、一人ずつ何かを呟く。そして、最後にショートカットの少女が呟き終えると、三人はふぅとため息をついた。

「あぁ~めっちゃドキドキしたぁ……」

「うちも~……これでうまくいくといいんだけど」

二人が喋り合う中、おさげの少女だけは青ざめた顔で、✕✕✕を見つめていた。二人が少女のただならぬ様子を察して振り返ると、

「ヒッ……!!」

と叫び、ガタガタ震えだした。

「えっ⁉️どした萌音」

「な、何かいるの?えっやだ大丈夫萌音?」

二人が心配して詰め寄ると少女はへたりこんで

「いやああぁぁぁぁ!!やだやだやだ来ないで来ないでぇぇ!!」

と絶叫した。

「ちょ萌音、ふざけるのやめて?何もないから。私達も怖くなるから」

そしてツインテールの少女がおさげの少女に触れたとたん、

「えっ……萌音!?」

「なっ何!?え何これちょっと!!萌音ぇ!!どこ行っちゃったのよ!!」

ーおさげの少女は跡形もなく、消え失せていた。

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