第13話 まさかの提案 1/2

「奈々子ちゃんに泊まるのがダメならさ……うちに来ない?」


「はい!?」


 デジャブ。


 さっきも同じ反応しましたね。


 私の語彙力がないせいで、同じ会話をして……え?


「私が、梨奈ちゃんに、マジで、ん?」


「マジマジ。来たことないでしょ」


「そりゃそうでしょうが」


「あははっ」


 私は梨奈ちゃんのストーカーじゃないので、当たり前ですが行ったことがありません。


 一緒にしないでもらってもいいかな。


「てかさ、奈々子ちゃん今も無職じゃん」


「……ハイソウデスネ」


 そこを突かれると、ね。


「貯金を切り崩してるわけじゃん」


「ソノトオリデス」


 心が痛いです。


「じゃあ、私が養ってあげるよ!」


「……はい!?」


 すみません、何度も同じ反応をして。


 でも、これに関しては仕方ないよ!


 推しが衝撃発言したんだから。


 根本的に、推しがストーカーだった時点で衝撃なのは置いといて。


「養う? え、それはつまり――」


「同居しよっ」


「ふぁっ!?」


 え、う、お、え?


 推しと同居?


 同居ってなに。


 一緒に住むってことだよね。


 うん……うん?


「マジで言ってる?」


「マジマジ。お小遣いもあるよ」


 あの、ピョンピョン跳ねるのやめてもらっていいですか。


 楽しそうなのは結構なんですが、流石に腕が痛くなってきました。


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