第10回 頭に「こ」のつく映画といえば?
これからタイトルを言いますけど、絶対に引かないで下さいね!
と前置きした上で、頭に「こ」のつく映画。
今回は、「恋のミニスカウェポン」を紹介します。
え、なにその恥ずかしいタイトル、と驚いた方、気持ちは分かる!
私も最初はそうだったんですよ!
DVDソフトのパッケージの裏面を見ると、
「国家エリート美女軍団が繰り広げる、サバイバル・ラブ・ウォーズ!」
「ラブ戦士に告ぐ! 恋のヒミツ警報発動!!」
とか、「え……あの……うん」と無言になってしまいそうな、アレな感じのキャッチコピーが並んでますからね。
なんだよラブ戦士とかヒミツ警報って。
他にもあったキャッチコピーで、本編の内容に一番近いイメージとしては、
「女子高生版『チャーリーズ・エンジェル』」
ですかね。まさにこれ。
2004年のアメリカ映画。監督・脚本はアンジェラ・ロビンソン。出演はサラ・フォスター、ジョーダナ・ブリュースター、デヴォン青木、ミーガン・グッド、ジル・リッチー、マイケル・クラーク・ダンカンほか。
あらすじはこちら。
スパイとして優秀な生徒たちが集まる、アメリカ政府の極秘防衛機関「D.E.B.S.(ディーブス)アカデミー」。
アメリカの高校生が受ける大学進学適性試験には、一方で、スパイとしての特性を調べるという秘密の目的があり、そのテストで「スパイの素質あり」と判断された成績優秀者は機関に引き抜かれて特殊訓練を受けるというシステムなのです。
へえー。すごーい。
テストで満点の成績を残し、「ミス・パーフェクト」の二つ名で呼ばれる、女子高生エイミー。
機関に引き抜かれた彼女は、リーダー気質のマックス、お嬢様のジャレット、不良のドミニクたち個性豊かな面々と組んで、女子高生4人の精鋭チームで凶悪犯ルーシーの動向を探るように局長から命じられます。なんか日本のアニメみたいな設定。
凶悪犯ルーシーは、兵器の横流し、密輸……悪名高き犯罪組織、レイノルズ・ファミリーの生き残りにして、ダイヤ泥棒を一番得意とすることから、ついた通り名が「ルーシー・ダイヤモンド」。
ルーシーが行く先にはいくつも死体が転がり、彼女と会って、生きて帰った者はいないと言われる、秘密の多い人物。
ここ数年は、地下に潜伏し、消息を絶っていたのですが、急に動きがあり、帰国したという情報があったのです。
彼女について調べ、少ない資料をまとめて論文として書いているほど、エイミーは女犯罪者・ルーシーの存在を追いかけていました。
綺麗なバラにはトゲがあると知りながらも触れたくなる……峰不二子を追いかけるルパン三世の気分でしょうか。立場的には、ルパンを追う銭形警部かもしれませんが。
そんなルーシーが、ロシアの女殺し屋・ニノチカと接触を図っているという情報を入手したので、エイミーたち4人のチームは2人が密会するレストランへ潜入します。
凶悪犯と殺し屋の密会。
犯罪計画の打ち合わせと思いきや、実はこれ、レズビアンのルーシーが新しいパートナーを見つけるため、仲間たちが気を回してセッティングしてくれた、女性同士のお見合いなのでした。犯罪者仲間のスカッドくん、実はイイやつ。
ルーシー自身も、悪党は悪党なのですが、ウワサが一人歩きして随分と尾ヒレがついているだけで、実際には人殺しもしたことはないようです。
エイミーの元カレ・ボビーの乱入が原因で、レストランの店内は銃撃戦となり、ルーシーのお見合いは台無しになりましたが、これをきっかけに目が合ったルーシーとエイミーは、お互いに一目惚れしてしまうのです!
騒動の中、退却して姿をくらましたルーシー。
一方、機関の寮に戻ったエイミーは、ルーシーの美貌が脳裏から離れません。
彼女のことを考えていると、なんと寮の部屋まで、ルーシーが忍び込んできました!
ルーシーは、エイミーを誘い、自分のアジトへ連れて行きます。
エイミーがルーシーに連れて行かれた!
それを知ったチームのメンバーは「ミス・パーフェクトが凶悪犯に誘拐された!」と機関に報告、アカデミー全体に知れ渡り、ハイテク機器でエイミーの行方を全力で捜索するのでした。
そして、ルーシーのアジトを探り当て、チームのメンバー3人と、元カレのボビーが、アジトへと向かいます。
エイミーが凶悪犯に殺されるかもしれない! 一刻も早く突入しなきゃ!
銃を構えて、音を立てないように入った部屋では……ルーシーとエイミーがベッドの中でイチャイチャしていました。
視線に気づくと、エイミーは咄嗟に「違うの! 誤解なの!」と弁解。
いくら言い訳しようとも、ベッドの中のルーシーとエイミーはハダカ。
説得力ゼロです。
エイミーを救出するためにやってきたメンバーは、事情を察すると、深く溜息をついて、無言で部屋を出て行きます。
エイミーはルーシーに別れを告げ、寮へ帰ってきましたが、この騒動は局長の知るところとなり、処分を受けそうになってしまいます……。
さてどうなることやら!というアクションコメディ作品です。(百合分多め)
エイミーは、自分は「D.E.B.S.(ディーブス)」の一員であり、犯罪者と付き合うなんて出来ない……とは思うものの、ルーシーへの想いを断ち切ることはできない、というアンビバレントな感情に苛まれており、エイミーが最後に下した決断は、「規則や建前に縛られることなく、自分で道を選ぶことの大切さ」を教えてくれるのではないかと思います。
監督・脚本・編集を務めたアンジェラ・ロビンソンは、漫画家の女性です。
元々、自分のコミックを原作に、10分ほどの実写映像短編を製作し、それに出資者がついて、今回の長編映画を撮った、という経緯があります。
というか、正直言って、チェックのミニスカで女子高生エージェントがアクションするらしいというジャケットの先入観、そしてジョーダナ・ブリュースターが出てたこと、これらが無ければ見てないタイトルでした。
中盤からはずーっと美しい女性同士のイチャイチャが続き、非常に眼福眼福。
良い掘り出し物だったなあ、という喜びはありましたが、この邦題はなんとかならんかな……。
他人に薦める時、このタイトル、声に出して言うのが非常に躊躇われるんですよねえ……。
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