第22話 おくや け こ

私のことばで

遊んでみたいと思ったのなら

それは心が羽ばたいた

そう 思おもうだろ 普通は



私が値しないと

いなしてくるとは 思わなんだ


俺ならもっとやれる 

と 見せつけたいだけ だろ


クソみたいな思いもよぎるが

鼻であしらう


『ただの間抜け 気取った三角野郎』

そう書いたボードを持たせ

オレンジのツナギ着せて 写真を撮ってやる


おとといきやがれ 塩まいちまいな


うんざりだ

セリフはやらぬ げっぷでじゅうぶん


白く白く白く 急いで急いで急いで


塗り潰す塗り潰す塗り潰す塗り潰す擦り潰す


けがされたとは思うまい

簡単に よごせると思うなよ


クレヨンも 色鉛筆も 絵の具も 修正液も


全てかき集めて 白く塗り潰す


ちんけな手で手垢と指紋つけんじゃねぇ


光の方へ 明るい方へ 白い方へ


自らの意思で そうありたい

こう立ちたい

そちらへは行かぬ


私は私を 強く 私で ありたいだけだ


お前には関係ない

許されたと思うな


いいお顔はくれてやる


こんな黒曜石のように黒く熱く滾るものを


お前ごときにゃ 触れさせぬ 


見せてなど やるものか


やれるのは 白い花冠の とびきりいいお顔だけ 

甘い飴ちゃん舐めときな


蕎麦屋の湯桶ゆとう

てめえのなんざ 新しい煙管が 関の山

味噌汁で顔洗って出直しな

ぶぶ漬け食いそな 蝉の小便

万に一つも 出直したなら 

ぶん回して はったおすぞ


白いの そろそろ ここいらで

しまいにするか 

捨て置くか

おうよ 熱いの 六段目


もふけた

相棒 相棒 肩組んで

夢でも 喰いに さて 行こか


ふぁー スッキリ 

湯上がり

つるりんこ



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「おくや け こ」……まぬけにふぬけ

「蕎麦屋の湯桶ゆとう」……横から口出すな

「蝉の小便」……図々しい

「新しい煙管」……つまらない

「味噌汁で顔洗え」……てめえ寝ぼけてんのか。水で洗っても目が覚めないんなら、もういっそのこと味噌汁で顔洗えや。そしたらお前も目が覚めて、流石にこんなことはしやがらねえだろう。

「六段目」…しまいにする。古浄瑠璃は、六段形式で構成されていたところから。


参考資料…三遊亭金馬


ありし日の俳句場での、ばば怒りのひみつちゃん(๑˃̵ᴗ˂̵)

時効お蔵出し。当時これとぽつを書いたら、すっかりどーでもよくなりました(*´◒`*)つるりんこでアリ〼




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