第20話 渚にて

キミらのカケラを拾ってる


本の浜辺に落ちたもの


何やら綺麗なものだから

おや? と変な形に惹かれたから


朝な夕なに 歩いては


少しづつ コレクション 増えてく

入江ごとに 瓶に入れて ただ置いておく


多分これは パズル

全部じゃないけど 繋がる

でも それはしない 


これはメッセージボトル

暗号が 香りたつ

そっと閉める コルク栓


深淵なる 入江から流された

宛のない笹舟

思いをはせる 

沈まずの大冒険を


海の底 対のものと共鳴し

熱を持ったり

きゅーぃ ふぃーん と

寂しげに 泣いていたり


でも

知らんぷり しておく


それもまた 愛情

最近それが わかってきた


あんまり 痛がる 瓶は

外から 壊れないように さする


掻っ捌かれ いずる カケラ

瞠目 刮目 粛々 黙々


静かで 賑やかな 


水辺に足を浸すのは 


楽しいような 気怠いような


カケラの対のものたちへ  

私は

柔らかなまつげで

贈る


瞬きの

かすかな 

さざなみを


私も 私の 入江で


今日は何して遊ぼうか






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カクヨムのお友達たちへ 愛を込めて



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