第32話 逢う魔が時

逢う魔が時おうまがときは まずい


チャンネルを合わすと 感度が良すぎて


本当のことを拾ってしまう


せめてさも良き 創作物を気取って


詩なり小説なりの 着ぐるみを着させ


人混みに放ってしまえば


ああ面白いね と


運が良ければ言ってもらえたものを


さあ このかまってちゃんを


私が全力で お接待 仕り候つかまつりそうろう


おまえが 泣き止むまで 気がすむまで

楽しくなるまで 笑うまで 疲れるまで

もういっかってなるまで 眠たくなるまで


話を聞くよ なにして遊ぶ 歌でも歌うか

一緒にいてあげるから なんか飲み食いしよう

ぎゅっとしていようね いい子いい子


徘徊はいかい老人を閉じ込めるような真似したかないけど


私を置いて 勝手にあんま 出歩くなよ

お前を恥ずかしがるような自分は好きじゃないんだ私もお前なしでは淋しくなってしまう

ほんとさ 嫌いじゃない むしろ好きだよ


朝んなったら めっちゃ眠みぃー って

私 一人で起きて頑張ってくるから

ほらほら お前は あったかくして

ここでしばらく おやすみ ねんね


いい子いい子 愛しい子

悲しくならないように

ほっぺにキスを 贈りましょう

私の 中の かぼそき かまってちゃん




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【もにもに*まにまに】では、センチメンタルとこんなふうに寄り添って、あやして朝を迎えるのです。


最近新しく【混ぜない】という題名の、いつもの作風と違った詩集の連載を始めました。

コンセプトは「俺氏による塩っぱめの俺詩」であります。初見の方に男性作者が書いた詩?と思っていただければ、そんな感じのテイストです。

同じようなシチュエーションで、俺氏はどのようにむずがる自分と向き合うのでしょうか?

全く趣の違う詩、よかったらご覧くださいませ。


【混ぜない】

第6話 盛り塩

https://kakuyomu.jp/works/16817330659973113361/episodes/16817330664392595331












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