第24話 昼間の月

君を探したことはない

何かしらのおり ふと視界に映り込む


もしかすると 私にしか見えていないのでは


そんな考えさえ起こさせる 昼間の月

鏡のように

私の心持ちを 教えてくれる




今にも消えそな姿して

自分の支配する 夜の世界から抜け出し

弱まる身体をおしてまで

健気に静かに 

こうして見守ってくれていたのかと思うと

その温もりに触れ

吐く息の 白さも緩んで溶けてくる


そんな愛に 気づけた自分が誇らしい




おぼろに消えそな姿して

ただただ不安 お互いに 伝染し合う

場違いな場で それでも月が月であり続ける

脆くて強く

その佇まい なんともいじらしく

迷子になってしまったの?

私と一緒だね 


そんな愛を 抱きしめ抱き合いたい





昼間の月と 今日も2人


うすらぼんやり 浮かんで 過ごす


儚さと裏路地の 隙間で

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