第2章 目指せ!全一高校生!

第13話 eスポーツの〇〇?!

大会も終わり、僕は帰宅した。

今日は流石に疲れたが、父さんに電話でKンヤさんに会った事を伝えよう。



「もしもし。父さん」


「やぁ優。聞いたよ 大会で優勝したんだって? 凄いじゃないか。」


「聞いてたんだ父さん。ありがとう。でも僕はあんまり活躍してないよ。」


「Kンヤから連絡来てね。あの技を実戦で決めたらしいじゃないか。流石僕の息子だよ。」


「父さんに比べたらまだまだだよ。それに

あ̀い̀つ̀にすら追いついてないよ。」


「まぁまぁ。優のペースで頑張ればいいよ。それより母さんが優と喋りたいみたいだから代わるね。」


母さんと話すのは久しぶりだ。昔から過保護で僕を一緒に海外に連れて行くつもりだったが、僕は海外に興味がなかったのと、英語を覚えるのがめんどくさかったので父さんに説得してもらい日本に残る事にした。



「優ちゃーん!パパから聞いたよー!流石

優ちゃんだね!ママも誇らしいよ♡」


「もう僕も高校生だよ母さん。ママとか少し恥ずかしいってば」


「だって優ちゃん小さい頃はママー!って呼んでたのよ♡ 別に今も呼んでもいいからね!♡」


流石に思春期の高校生が言えるはずもないだろ… でも母さんは昔から優しくて僕の為に色々してくれたから感謝はしている。


「そういえばこの前ママが大会で優勝して景品貰ったんだけどちょーっとママには似合わないから優ちゃんに送ったからね! 結構いいやつだから使ってね!♡」



「ありがとう母さん。届いてたから後で見てみるよ。じゃあ明日も学校だからもう寝るね。父さんによろしく。」


「はーい♡」


全く、母さんは相変わらずだな。それより

荷物送ってくれたって言ってたな。



「何送ってくれたのかなぁー ってこれ…」


これは僕も似合わないだろ…





月曜日

昨日が濃い一日を過したからなのか、久々の学校に感じた。 ここから1週間は長いけど最近は部活のおかげで学校も結構楽しい。


学校に着くとなにやら他の生徒からの視線を感じる。この手荷物のせいだろうか…


教室に入るとクラスメイトからも視線を感じた。なにかした覚えはないので困った。


じょうたろうはもう教室に居たので聞いてみようと思ったがなにやら不機嫌そうだ。



「おはようじょうたろう。なぁ なんか今日みんな様子おかしくないか?」



「あぁ王子様おはようございます。今日も眩しいですね。」


「…なんだよそれ。さっきからみんなの視線を感じるんだけど僕なにかしたかな?」



「はぁ… お前SNSやらないもんな。これだよこれ。」



じょうたろうはスマホで動画をみせてきた。そこには昨日の大会の切り抜きが投稿されていた。



「格ゲー界に王子と天使が現れる!だってよ。なんだよ!お前ばっかり女の子とイチャイチャして! しかもあの橘さんかよ!この学校のマドンナじゃん!」


「いや、格ゲーの大会に出ただけだし…」


「俺なんか…辛い練習毎日頑張ってマネージャーにいいとこ見せようとしてるっていうのに… お前は学校のマドンナと楽しい時間を過ごしてるんだな…」


「だから格ゲーを一緒にやってるだけだって…」


「こんなハーレム写真まで撮っちゃってさ… 羨ましいよほんと…」


優勝の記念に撮った写真もSNSに投稿されていた。どうやら西蓮先輩が載せたらしい。



「自分は格ゲーしか興味無いみたいな感じだったのにめちゃくちゃ女の子と楽しんでるじゃんか! しかも橘さんみたいな可愛い女の子と!」



「別にただのチームメイトなだけだよ…」


「じゃあ橘さんには全く興味無いんだな?!」


興味が無いと言えば嘘にはなる。あんなに強くて楽しそうに格ゲーをする人は初めて見たし、橘さんに勝ちたいとは思ってる。

だけのはずだ…


「べ、別に格ゲーマーとして気にはなるけど、じょうたろうが思うような感じではないよ。」


じょうたろうは何故か真顔でこちらを見ていた。


(優の奴珍しくなんか照れてるな…こりゃあ

ただのチームメイトって訳でもなさそうだな。)


「ふーん。そっか まぁいいや!俺はもうサッカーをいっぱい練習して全国大会に行くんだ!そしてマネージャーと付き合うんだ!」



「全国大会ねぇ。とりあえずレギュラー取れるように頑張れよ。」


スポーツをやる人が日本一を目指すのは普通だろう。じょうたろうの場合は完全にマネージャー目当てだけど。





授業が終わり僕は部室に向かった。

部室に行くと西蓮先輩だけが居てなにやら

パソコンの画面を見つめていた。


「お疲れ様です。今日は西蓮先輩だけなんですか?」



「中山君お疲れー! みくちゃんは委員会で少し遅れるってさ!それよりその荷物はなに?」



「あーこれは、母さんから貰ったんですけど僕はちょっと使わないのでとりあえず部室に置いとこうかなと…」



「そうなんだ! 部活への貢献ありがとう!」


「じゃあ僕はそこのPC借りますね。ちょっと練習したいポイントが色々あるので。」



「はいよー!」



(中山君何持ってきたんだろ… ちょっと見てみようかな! …っとこれは…

ふふふっ

ちょっとイタズラしてみようかな♡)



「お疲れ様です。かなちゃん、中山君。」

橘さんが委員会から戻ってきた。

後でちょっと練習に付き合ってもらおう。



「ねぇみくちゃん。これあげる♡」


「なにかくれるの?って それは…」


「ちょっ… 西蓮先輩勝手に…」


西蓮先輩は僕が貰った物を橘さんに勝手に付けた。ヘッドセットだ。しかも猫耳付きの。



「きゃー♡ みくちゃん可愛いー♡ これね中山君がみくちゃんに持ってきたんだよー♡」


「えぇ… 中山君こういうのが趣味なんですか…」


橘さんはちょっと困った顔でこちらを見てきた。 こういうのもやっぱり似合うんだと思った。っていうかそもそも母さんから貰ったやつで僕が選んだ訳ではない。


「いや、それは貰い物で…」


「ほんとはみくちゃんに付けて欲しかったんじゃないのー?♡」



「な、中山君がそう言うなら使うけど…」


そう言いながら物凄く橘さんは照れていた。


「い、いや…それは母さんからの貰い物で僕にはちょっと使えなかったので…」


「ほんとかなー?♡」


「ほんとですよ!横に母さんのサインもあるじゃないですか!」


「サイン? ってこの名前…」


2人はヘッドセットに書いてあるサインを見ると表情が固まった。



「あ、あの…どうしたんですか2人とも…」



「ねぇ中山君!このn.mかしゃまろってあの

かしゃまろさん?!」


「一応はい、プロゲーマーのかしゃまろですよ…」


「って事はかしゃまろさんが中山君のお母さんなの?! やばっ!」


「えっ… な、中山君ほんとなの?」


「そ、そんなに驚く事ですか?」



「当たり前じゃない!かしゃまろさんといえば格ゲー界の女王って呼ばれてる人よ! 容姿端麗で大会成績も常に上位、性格も明るくて配信者としても有名じゃない! あの人登録者100万人居るのよ?! 」


母さん配信もしてたのか… 大会映像とかは

父さんに見せてもらった事はあったけどそんなに有名なんだ…


「それに子供どころか、結婚してたっていう情報さえ知らなかったわよ!」


あ、そういえば昔母さんに言われたな…


(優ちゃん! ママとパパの関係は世間には内緒にしてるのよ!もちろん優ちゃんの事も!まだ色々あって発表出来ないのよ お互いアイドル的プロゲーマーだから♡ だから他言無用よ♡)



別に言うつもりもなかったからずっと言わなかったけど ついつい流れで言ってしまった…



「いや、ほんとはまだ公表出来ないらしくて… 西蓮先輩が変な事言うからつい流れで言っちゃったというか… 内緒にして頂きたいです。」



「まぁ公表してないなら私達も言わないけどほんとにびっくりしたわ… それにみくちゃんはかしゃまろさんの大ファンなのよ。」



「中山君のお母さんが、かしゃまろさん…

中山君のお母さんが、かしゃまろさん…」…


橘さんは完全に動揺していた。同じ事をずっと繰り返して言っている…



「橘さん… 申し訳ないですけどこの事は内密でお願いし…」


「中山君! こ、これ貰っていい?」


「えっ… まぁ、全然いいですよ 僕は使わないので」



「…! ありがと… やったぁ…!」


橘さんはさっきまで恥ずかしそうだったのに今は、猫耳ヘッドセットを嬉しそうな顔で付けている。そんなにファンだったのか。

それよりも内密なのは分かってるだろうか…



「西蓮先輩… 橘さん大丈夫ですかね…」



「大丈夫よ みくちゃんは人の事どうこう言いふらす子じゃないわ ただ憧れの人の物が貰えて嬉しいのよ」


橘さんは子供のように、はしゃいでいた。

まぁ橘さんが喜んでくれたならいいか。




「よーしそれはさておき!ここでeスポーツ部全員居るので重大発表がありまーす! これを見なさい!」


西蓮先輩は立ち上がりパソコンのモニターを指さした。






そこにはeスポーツ甲子園開催!と書いてあった。






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