第4話 eスポーツ部?!

「はぁ… 昨日もあんまり眠れなかったな…」


あれからまた、朝まで練習してしまった。

流石に眠いが、今日から登校日。正直めんどくさいが、両親との約束もあるので行くしかない。


教室に入り、眠たい顔を擦りながら席に座った。


「よっ!おはよう!優!相変わらず眠たい顔してんな笑」


笑いながら挨拶をしてきた奴は、小学校からの友達で、名前は相川じょうたろう。いわゆる腐れ縁って奴だ。


「やっと青春の高校生活が始まるんだぞ!もっと楽しそうな顔しろよ!」


「はいはい。そうですね。」


「連れないねぇ。相変わらず格ゲーにしか興味無いよな優って」


分かりきったことをあまり聞いてくるなよと思いつつ、青春に興味はないから、学校は退屈になりそうだと思った。




「HRはじめるぞー」


今後の学校での流れを聞き流しつつ、ぼーっとしていたらHRが終わった。


HRが終わった直後にじょうたろうが話しかけてきた。


「優は部活どうすんの?」


何も考えてなかったし、正直格ゲーをやる時間が減るので入るつもりはなかった。


「どこにも入らないよ。」


「優って何も聞いてないんだな笑 1年生は絶対どこかの部活に所属しないといけないってさ」


「まじか。適当にサボれそうな部活にするよー」


「ほんとに青春する気0なんだな。優らしいよ。俺はサッカー部に入って可愛いマネージャーと青春するんだ!」


「じょうたろう小中文化部じゃん。無理しない方がいいぞ。」


「わかってないね。高校デビューって言葉があるでしょうが。」


「意味合いが若干違うと思うぞ。」


まぁじょうたろうがどこに所属しようが上手くやるとは思ってるからあまり気にはしなかった。



授業が終わり、1年生は部活動見学の時間になった。


「じゃあ俺は、サッカー部みてくるから!可愛いマネージャーを探しに!」


「はいはい。じゃあな。」


「優もちゃんと部活見つけろよー!」


適当に文化部の中でサボれそうな所を探す事にした。 僕にとって格ゲーをやる時間が減るのはもっての他なのだ。






どんっ







考え事をしながら、歩いていたら人にぶつかってしまった。



「ごめんなさいっ」


目の前に女の子が居た。

透き通るような綺麗な瞳、頬を赤めているが白雪のような白い肌、小柄だが、凛とした雰囲気。まさに美少女で格ゲーに出てくる

ヒロインキャラのような子だった。


思わず黙ってみていたら、その子がまた話しかけてきた。


「…あの、だ、大丈夫ですか?」


「あ、すみません。少しぼーっとしていて。ぶつかってごめんなさい。」


「い、いえ。こちらこそぼーっとしていました。」 「…部活の勧誘に行く途中でしたので少し急いでいました…」


言われてみたら床にチラシが散乱していた。



チラシを2人で拾い、彼女に渡した。


「…す、すみません。ありがとうございます。では私はもう行くので…」


そう言うと少し小走りで、校庭の方に向かって行った。


「なんの部活だったんだろう…」


ふと下を見るとチラシが1枚落ちていたので

手に取った。



「…eスポーツ部」

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