第26話 桜の花が舞えば入学式……(8)

 彼に!


 あの、魔王の如き、小生意気な少年へと先制攻撃──。


 そう、私山下光流はしてやった。


 でっ、し終えれば。


 私は彼に……。


 そう、私山下光流の悪態と罵声を見て、聴いた彼は。


 自身の顔色を変え。


 動揺を隠せない表情をしてはいるのだが。


 私山下光流にはそんなことなど。


 どうでもよいことだから。


「それではサ・ヨ・ウ・ナ・ラ……。ごきげんあそばせ」と。


 動揺を隠せない彼へと告げ。


 その場。


 ソメイヨシノの美しい花が咲く。


 桜の木の下を後にし。


 私山下光流は、自身の新しい教室へと向かうのだった。


 いくら魔王な彼が。


「ちょっと待ってよ。君ー!」と。


 私のことを叫び、呼び。


【早咲き桜】の花の下でのこと……。


 そう、私山下光流へとした悪態に関して。


 悔い改め。


 謝罪をしたくなってきたとしても。


 私山下光流は、いくら彼が麗しい容姿をしていようが。


 許す気は、サラサラないので。


 無視して、自身の教室へと、更に早足で向かうのだった。



 ◇◇◇


(完)



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桜の花の舞う中で…… かず斉入道 @kyukon

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