14話 ペットは愛されるのが宿命


 休憩を終えた俺は少し離れた位置で女の子達と遊んでいるソフィとアーシャの元へ向かった。

 

 休憩中だったはずなのに頭を使って疲れたからふにゃふにゃ二人組+俺の尻尾の魅力に惑わされない女の子達に癒やされに来たのだ!


「あ、ルナ!もう休憩いいの?」

「ん〜、休憩してたはずなんだけど休憩にならなかったと言うか〜…って、そんなことはいいんだよ!そんなことよりソフィ。私が言った通り友達できたでしょ?」


 今ソフィは五人の年齢バラバラの女の子達と一緒におままごとをして遊んでいる。ここに来る前は不安そうにしていたけど、俺が他の子達にもみくちゃにされている間にしっかりと交友関係を築けたらしい。


「うん!最初はアーシャを通してだったけど、今では仲良く遊んでるよ!わたしがみんなのお母さん役なんだ~」


 ニヘラと笑いながら俺に報告してくれるソフィ。どうやら俺の判断は正しかったようだ。俺は今、超癒やされている!!

 ほんとにもう悶え死んじゃいそうだよ。可愛過ぎるじゃんそんなの。もう俺の心臓めっちゃときめいてるからね。心臓が飛び出してソフィに遅いかかってもおかしくないくらいにはときめいちゃってるからね!!

 ソフィがお母さんっていうのもギャップがあっていいよね!


 ソフィがお母さん役だと知ったら、アーシャが何役なのかも気になってきたぞ。聞いてみよう!


「アーシャは何役なの?」

「アーシャはお父さん!」

「何故か私がお父さんになっちゃった」


 アーシャがお父さん…だと…?

 それってつまりアーシャとソフィが結婚したってこと?

 駄目だよそんなの!アーシャは俺のお嫁さんになるんだから!


「ソフィ!アーシャは私のお嫁さんになるんだよ!NTRはダメ絶対!」

「ルーちゃん?これおままごとだからね?そもそも私がルーちゃんのお嫁さんになるなんて初耳なんだけど?」


 ソフィの肩を掴み、言い聞かせるようにしっかりと伝える。ソフィは良い子だからこうやって言い聞かせておけば大丈夫なはずだ。

 

「じゃあルナがお父さんやる?」

「ん〜私はペットに誇りを持ってるからな〜。やるならペットかな〜」

「じゃあルナはペットで一緒におままごとしよ!」


 むむ?気づけば俺も一緒におままごとをやる流れになっているぞ。ん〜まぁ楽しそうだし付き合ってあげようかな。完璧なペットの演技を見せてやろう!


「じゃあみんなはさっきと一緒でわたし達の娘役でいい?」

「「「「「良いよ〜」」」」」


 え?アーシャに娘いるの?

 ペットが超嫉妬しちゃうけど大丈夫そ?


「お母さん夜ご飯まだ〜?」


 え!?もう始まったの!?いきなりすぎるじゃん。俺まだペットなのに二足歩行してるって。ちょっと待ってよ。

 急いで伏せて喉をゴロゴロ言わせよう。


「もう少しでできますよ〜。ちょっと待っててね」

「やった~!夜ご飯なに〜?」

「夜ご飯はお魚です。ルナの分もあるから安心してね」


 お、ここで俺が出てくるのか。

 ふっ、ここは俺のペット力が試される場面だな。良いだろう!誰が最強のペットか教えてやる!!


「にゃあ~ん」


 はっはっは!完璧な鳴き声だ。更にソフィの足元に身体をスリスリしてやれば、どこからどう見てもペットとしか思えない!


「ふふふ。ルナは甘えん坊だね〜。でも今は料理を作っているから向こうでみんなと遊んで来てね。お父さんもいるからね」


 おお!ソフィのお母さんが凄くハマっている。なんかこうちっちゃいマミーみたいだ!


「にゃにゃにゃ〜」


 ここはソフィの言うことを聞いてアーシャのもとに向かおう。ほれほれアーシャ。お腹を見せてあげよう。撫でてもいいぞ!


「ルーちゃんペット似合いすぎ……んんん!ルナ、母さんに追い出されたのか?」

「んにゃ!」


 一瞬アーシャの心の声が漏れてた気がするけどおそらく気の所為だろう。

 そんなことよりもアーシャの声超かっこよくてビビってるんだけど!そんなことできたのアーシャ!?


「お父さんわたしも撫でていーい?」

「それはルナに聞かないとな」

「にゃあ~!」


 アーシャの声のかっこよさにビビっていたら娘たちからの熱烈アプローチが来てしまったぜ。仕方ない!撫でさせてあげよう!


「尻尾サラサラ〜」

「髪もサラサラ〜」


 そうだろうそうだろう。正直面倒で仕方ないけど、髪の毛も尻尾もサラサラになるように毎日ケアを欠かしていないからな!

 もっと褒めてもいいんだぞ。次は猫耳あたりがオススメだよ!!


「おっぱいはツルツル〜」

「にゃにゃ!?」


 おい、誰だ今の!喧嘩なら買うぞこんにゃろー!

 誰の胸がツルツルだって!?俺は大きくは無いけどちゃんとあるんだぞ!!ツルツルって言われるほど小さくないわい!そういうのはお嬢みたいな絶壁な人に……あれ?寒気ががががが


 …ちょっとお嬢の悪口センサー高性能すぎない?少しの失言も許してくれないんだから。


「にゃあ~にゃあ~」


 ふぅ。やっぱり誰かに撫でさせるのは心地がいいね。特別扱いされて気分がいいよ。

 まぁ結局もみくちゃにされてるだけじゃね?って気もするけどまぁいいでしょう。この子達にはソフィと仲良くしてくれてるお礼をする予定だったからね。


 今回は大人しくもみくちゃにされよう。


 その後ご飯を作り終えたらしいソフィも参戦してきたのは言うまでもない。



 


新しい登場人物

なし

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