第6話 動悸と過呼吸

 わたしが心療内科を受診するきっかけとなった症状は


【動悸と息苦しさ】


 実はこの両者には関係があって、心療内科でも初診の時に、先生はわたしの血中酸素濃度をパルスオキシメーターで計ったのでした。

 その時も仕事の話をしていたので、動悸がしていて、脈拍も少し早くて。

 そしてなんと。

 血中酸素濃度は、100%!


「素晴らしいね、100%」


 って、先生は笑って仰っていたのですが、その後にこうも仰っていました。


 ***************

 おそらく、(酸素濃度が)振り切っちゃってるんだろうね。

 いわゆる、『過呼吸』に近いものと思ってもらっていいと思う。

 動悸がするってことは、一生懸命酸素を体に取り込んでいるということでしょう?

 そうすると、二酸化炭素が減って、酸素が増えるよね。

 実はね。

 酸素はいくら増えても問題ないんだけど、二酸化炭素が減り過ぎてしまうと、苦しくなるんだよ。

 苦しいと、一生懸命息をしようとしたり深呼吸しようとしたりするでしょう。

 それ、逆効果なんだよね。

 だからね、動悸がして息苦しく感じたら、細くゆっくり息をしてごらん?

 楽になるから。

 でもね。

『過呼吸』って、そう怖がることでもないの。

 ひどくなると意識を失って倒れてしまう事もあるけど、意識を失ってしまうとね、呼吸は元に戻るんだよ。そうするとね、二酸化炭素の濃度も元に戻って、目が覚めた時にはスッキリしているんだよ。

 だからね、何が言いたいかって言うと、『過呼吸』では死なないってこと。

 そんなに怖がらなくても大丈夫だよ。


 ***************


 このお話を聞いたからだと思うのですけど。

 まだ、動悸は時々しますが、怖くなくなったせいか、息苦しさは前より無くなった気がします。もちろん、言われた通りに『細くゆっくり息をする』ことを心掛けているのもあるとは思いますが。

 最悪、このまま動悸が激しくなって息が苦しくなって倒れたとしても、死ななきゃいいや。

 って割り切れたのも、大きいのではないかと。


 すごいですね、精神科のお医者さんて。

 こうやって少しずつ、不安を取り除いてくださるのですから。

 本当に、有難いなぁって、思います。

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