大きく音を立てて斃れよ、王者の如く

 体調が悪く仕事を休み、家で寝て体調が回復してきた。ふらふらする感じで通勤はおろか在宅での勤務も無理っぽかった。マジで何なのかわからんが、もともと有給休暇を取っていた昨日から倒れそうな感じで倒れ、回復しきれなかったって感じだ。


 歳なのかもしれないし、またなんか薬の副作用かもしれぬ。どっちでも良いけれど、子の体調不良でも休みがちなのでいろいろと不安になる。


 俺は何というか、「抑うつ」みたいな状態になることも多いが、多くのうつ病者や双極性障害者とくらべ希死念慮の毛色が違うみたいだ。母親もそうだったが、「死にたい……」みたいな感じではない「自分をぶっ殺してやるぜ!」みたいな感じだ。もちろんイメージの問題なんだけれども。


 「静かに誰も知られぬように死にたい」みたいな人とは考えかたというより、症状からして異なるのだろう。これも面倒くさい。俺はドカンと死にたい。大きな音を立てて、人目を惹き、格好よく。頭がおかしいのだろう。


 死期がわかった母親は「なにィ!人間は死ぬもの!治療などせぬ!即座に死んでやるぜ!」みたいな異常な言動をとり、家族から医師から頼み込んでおおむね最低限の治療を受けさせたが、マジで異常者だったのだと思う。しかし憧れはある。よくない憧れだ。不良への憧憬みたいな。

 母親を焼いて骨にする直前「武士のような死に方でした」と地元の後輩に泣きながら言われ、俺は思わず笑ってしまったが弟はぎゃんぎゃん泣き出したのを覚えている。


 さてそんなこと書いていたらまた長女が学童から帰ってきて、さらに友人2人を引き連れてきたので家の中がキャンキャン声でいっぱいである。小2女性3人の声、ものすごく大きくて甲高い。助けて欲しい。というわけで今日明日はシェアハウスに避難させてもらう予定だ。


 俺はひとり、ゆっくりと死ぬ。そう決めたからだ。病気でも事故でも自裁でも処刑でも何でもいい。しかし大きく音を立てて斃れたい気分は消えないだろう。そいつをなだめて生きてゆく。そう決めたのだ。




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