第8章 翼を失った鷹


世界は暗かった

暗い中で、私は光を探していた

信じられるのは、自分自身と血を分けた家族だけ……

ある日、父が死んだ。

母は、私たちを満足な生活を送らせる為に、一人の男と再婚した

だけど、その男は、父と呼ぶには抵抗のある男だった。

父が残してくれた財産を遊ぶ為に湯水のように使い…………酒を飲み酔った勢いで、私たちにも暴力をふるった。

母は初め、私たち耐えようと言ったが、ついに我慢できず、離婚を訴えた。

私たちは、母について行こうと思った……だが、この男は…………母から父の遺産を騙し取り、

私たちを育てる余裕がないと親権まで奪った。

この事を母は苦渋しながら……受け入れたが…………新しいお父さんが出来たら引き取ると言ってくれた。

そして、出来る限り、私たちの処へ顔を出してくれた…………

新しいお父さん候補が見つかったとか、とても良い人で、その人の弟が変わっていて面白いとか、こんな私でも尊敬してくれているとか…………将来の事について相談に乗って、なんだか、お父さんを思い出したとか、私たちが気に入ると言った。


母がいる時は、私たちは安心できた。

でも、母が帰ると、私たちは怖かった…………

今まで母が守ってくれていた分……父の暴力から私たちを守る者はいない…………

私たちは耐えるしかなかった。

母が迎えに来てくれるまで……耐えなきゃいけなかった……

母が家に来るたびに、今度こそと希望を抱き、裏切られた

いや、これは裏切りではない


ただ私が勝手に期待しただけ、母は母なりに頑張っていた。

近所では男をばかりを追いかけている淫乱と陰口を叩かれて事があっても、母は笑顔で家に来た。


だから、私たちは待った…………私たちだけでも、母を信じてあげなきゃいけないと思ったから……。

それに、母が話してくれる、付合っている人の弟さんに多少興味があった。

だから、私が我慢できるそう言い聞かせた。



それから…………しばらくして…………事件は起きた


それは、遺産のほとんどを酒とギャンブルにつぎ込み、生活が苦しくなった頃だった。

ギャンブルに負け、あの男は外で酒を飲み帰ってきた。

余程酷い負け方をしたのか、帰ってくるなり、あの男は私たちを蹴り…………

いつも通りに酒の準備をさせ…………私がつまみを取りに行こうとした時…………

嫌な予感がして、振り向くと…………

あの男が、いつもよりも気持ち悪い眼で私を見て…………立ち上がった…………

殴られる…………そう思ったが…………いつもと様子が変で…………息が荒かったのを覚えている


そして…………

あの男は私を押し倒した…………

私を助けようと、……が、動こうとしたが…………それよりも先に……あの男が弾き飛ばした。

血走った眼が私を見る……荒い息が私の首筋を…………

私は抵抗した……手や足を一生懸命、無我夢中に動かし、暴れようとした

だけど、頬を殴られ、手足を抑えつけられた……

もう駄目だと思った時……

そこで…………何か鈍い音がし……男は気を失った。

男の背後に、息を切らせた母がいた…………手にはビール瓶を持ち…………涙を流しながら、男をどかすと、私を抱きしめ…………

ごめんね…………ごめんね……と泣いてくれた……

そんな母を見て…………私も泣きそうだった…………

母はそれからすぐに、私たちについて来るように言うと…………

新しい夫が、私たちを待っていると言ってくれた。

あの男が持っている親権は、この事を公にしないという条件で、奪い取ることが出来た。


私たちは、新しい父に警戒したが、優しく受け入れてくれた。

だけど、母が言っていた弟さんには会う事がなかった。


夢を追いかけて彼は家を出たと言う

一人で……生きると……夢を諦めない…………

そう彼は、母に言ったらしい



それから、私たちは、幸せな家族でいる事が出来た。



だけど、新しい父が事業に失敗し、平和だったその家庭を壊す外敵が現れ…………

次第に追い詰められていく、新しい父と母を見ながら…………

私は…………願った……


助けてください


母を助けてください……家族を助けてください……

そう願ったけど…………

父が失踪し…………母は病に倒れた。



私は願った……

家族なら……母が気に入ったあの人が……助けに来てくれることを……

でも…………病に伏せた母は、父の弟を呼ぶ事は許さなかった。

迷惑をかけたくない…………そう言った…………

母は、弟さんに本当は助けてもらいたいと…………そう思っても…………

それを口にすることは無く…………笑顔で、私たちを抱きしめ、頭を撫でてくれた……



それから、数日後…………母は目を覚まさなかった。


家には莫大な借金が残り…………やはり、不幸になった。

行くあてもなく、途方に暮れたとき、弁護士から電話がかかってきた。

新しい父の専属の弁護士だった男からだった。

話の内容を聞いて、私は驚いた。

莫大な借金を相続しなくても済むと、遺産をすべて相続しなければ良いという…………

私たちだけがそれを拒否しただけじゃ、それは他の身内…………つまり、新しい父の家系に回る

だから、私たちは弁護士に手続きを頼んだ。


別の家に住んでいる父の両親は、私たちを可哀そうだと言い、書類にサインをして送り届けてくれた。

ただ、それだけで、一度も家には来なかった。

他の親族も似たようなものだった……私たちを疫病神と罵る親族もいた…………


悔しかった…………


悔しくても…………何も言えなかった……


リストに目を通しながら…………私は……ついに……母が最後まで頼らなかった……あの人の番になった。

内心、憎かった…………

憎くて仕方がなかった……


なぜ助けに来てくれないのか

なぜ家の様子を調べることもしないのか

傍に居てくれるだけでも、母は幸せだと思う

何度も……何度もかけようとして、手が震えた番号…………


かけても…………冷たくあしらわれるかもしれない


電話しても無視されるかもしれない


怒鳴り散らされるかもしれない


祖父母のように、表面上は憐れむだけかもしれない


いや、これなら、まだ私は耐える事が出来る…………


でも…………もし…………彼が…………

悲しみ……自分を悔やみでもしたら…………私は……彼を憎しみ続ける事が出来るのだろうか?



わからなかった…………それが怖かった……恐ろしかった……


だから、私は…………彼への連絡だけは…………弁護士に任せた…………

きっと彼は、表面上で憐れむだけで、書類を送るだけで済むとそう願った。



それなのに…………彼は……朱鷺さんは家に帰ってきた…………


朱鷺さんは…………母の事を覚えていた…………

本当に悲しそうだった…………

私の行動に、母の面影を見たと言ってくれた…………

嬉しかった……だけど……嬉しかった分だけ、母を助けられなかった彼に怒りを感じた。

だけど…………そんな気持ちは決して表に出さず、私は笑顔でいられた。


でも…………朱鷺さんは…………

私たちを引き取ってくれると言ってくれた…………

自分の生活が苦しいかもしれないのに…………

だけど……彼の家を見たとき、その事を忘れてしまった…………

朱鷺さんに頼めば、もしかしたら、私たちは幸せに…………そんな間違った考えは、すぐに消える事になった。


朱鷺さんの家を訪れたチンピラは……私たちを追ってきたヤクザだった。

負債を打ち消された腹いせかどうかは、わからない……

だけど、私たちの存在が、朱鷺さんを不幸にしていく…………そう考えてしまった。

でも、朱鷺さんは私たちを受け入れてくれた。学校に通わせてくれると言ってくれた。

まだ会って、間も無く、憎しみを向けたはずの相手を…………私は好きになっていった。

だから…………つい、むきになって、困らせてしまった。

だけど、朱鷺さんの優しさは、私たちに向けられているものだけじゃないのも知った。

不良に絡まれて困っていた女の子を助けるために体を張ったりして……

ボロボロになったのに、私たちを心配してくれた……


今思えば…………

あの時、母の反対を押しのけ、朱鷺さんに助けを求めていたら…………

今頃……私たちは朱鷺さんと一緒にあの家で暮らせたのかもしれない。

悪かったのは、朱鷺さんではなく、手をさしのばさなかった…………私だ……


だから、もう朱鷺さんを隠れて恨むのは止めた

だからその代わりに、私は朱鷺さんを好きである事を認めることにした。


私、鷹羽 楓は、鷹羽朱鷺が大好きである。




***

ぼくは病室で寝ている朱鷺の手を握りながら…………

楓を見た…………

服を買いに行った頃から…………ううん、ちがう……

朱鷺が町で女の子を助けた後から、楓が素直に朱鷺に好意を示していた。

そもそも、ぼくたちは、母さんから朱鷺の話を聞かされていた。

ぼくはその時の母さんの話を聞きながら、またかと思ったりしていた。

そんなにすぐに人を気に入るなんて、考えた事もなかったからだ。

それなのに、母さんは朱鷺の話をぼくたちに聞かせていた。

自分よりも年下のくせに、生意気とか、変に背伸びしている部分があるとか、

実は、一番愛情に飢えているとか、いろいろ話してくれた。

その話を聞いている時の楓の顔は、とても楽しそうで…………ぼくも楽しかった。


でも、それを聞いていた頃のぼくは…………朱鷺の話よりも、母さんと一緒にいられることがうれしかった。


大変な時だって、母さんの大丈夫はとても力強く、いつも、助けてくれた。

楓があの男に襲われた時も…………ぼくは何もできずに、弾かれたけど、母さんが助けに来てくれた…………だから、ぼくにとって母さんは、唯一信頼できる相手だった。


信じていたんだ…………

でも…………そんな母さんは…………死んでしまった…………眠るまで…………ずっとぼくの手を握ってくれて……絶対に守る……そう言い続けてくれた…………


だから、そんな母さんが死んだ時…………ぼくは何も信じられなくなった…………

急に世界が怖くなった…………ぼくが何もできなかったから母さんが死んでしまった…………

ぼくが弱いから、余計な負担をかけて殺してしまった…………

もうぼくには、楓以外信用できる者がいない…………そう考えると…………ぼくはいつの間にか言葉が上手く喋る事が出来なくなった。

喋る事が出来なくなり…………ぼくは次第に動く事をしなくなった。

もう家の事なんてどうでもよく、ぼくは全てを放棄して楓に押し付けた。

他者との関わりを拒絶し…………外に出る事が減り、寝る事が多くなった…………

このままゆっくりと眠りながら、死んでも良いかなって、そう考えたとき…………ぼくは、朱鷺に出会った。

眠っている時に…………誰かが部屋に入ってくる気配を感じ…………楓かなと思ったけど、知らない感じがした。

でも…………なぜか不快ではなく…………気にせずに、もう一度眠りに入ろうとした時…………楓が入ってくる音と…………

ときさんって言葉に…………反応してしまった…………

もう眼が覚めていたけど、どうしたら良いかわからなかった。

聞き間違いかどうかもわからなくて…………ぼくは混乱した。

まあ、それから…………ぼくたちは朱鷺に引き取られ…………朱鷺の家を見たときに驚いた。

それから、ぼくは……なんというか…………思い出したくない真似を散々してしまった…………

朱鷺が、母さんと同じような事を言うから、取り乱したりもしたし…………

取り乱した事を謝りに行って、また暴れたり…………それでも……ぼくを責めなかったり……

後ろから抱き締められるとか…………何も考えられなかった…………

思い返した今でもとても恥ずかしい……

それから、クレープを食べに行った…………カップル割引で、お詫びをしようと思ったら、楓が邪魔をしてきたり……いろいろ楽しい事があった…………


まだ目を覚まさない朱鷺の手を強く握る…………

目に涙が溜まる…………

あのとき、ぼくらが止めなければ、朱鷺はこんな怪我を負う事はなかった。

目にはあの朱鷺が刺される光景が焼き付いている…………


ぼくたちは、幸せになれない…………

ぼくたちの存在は…………朱鷺を傷つけ…………今もこうして、死へと向かわされている

だから…………ぼくたちは…………



***

「楓…………もう、行こう……」

凪がそう言いながら、口惜しそうに朱鷺の手のひらから人差し指を握る…………

「嫌よ…………私、離したくない……朱鷺さんの手を離したくない……」

楓は両手で朱鷺の手を掴むとそれを額につけ……涙を流す

「ぼくだって…………」

コンコン


病室のドアが叩かれる


「おい、朱鷺は起きたか?」立花警部が入ってきた。

楓はすぐに涙を拭くと

「いえ、まだ起きていません」感情を隠すように振る舞った。

「そっか…………外の方でやけに高そうな服を着た奴がいたけど、知り合いか?」

「ああ、それでしたら大丈夫ですよ、私たちを待っているだけですから…………」

警部は何か不自然だと感じたが、とりあえず、仕事の途中で寄ったと言いながら、出ようとした。

「あっ……あの…………朱鷺さんは……大丈夫ですか?あの男を殴ってしまって…………」

「それなら、正当防衛だ、それどころか、あの男の方が、悲惨だったぜ

打撲が惨くてな、医者もなぜ骨折もせずに、ここまで筋肉や筋がずたぼろになるか不思議がっていた。」

警部は一息つくと、“頭の骨以外は”と付け加えた。

楓は安堵すると、警部にある事を話した。

「おい!なんだ……それ!それじゃ……朱鷺の努力はどうなるんだよ!!」

警部が私に近づこうとしたが、それを凪が阻んだ

「これは……ぼくたちが決めた事…………朱鷺も貴方も……関係ない」

凪の決意に警部は足を止めた。


「もういい…………朱鷺の面倒は俺に任せて、さっさと行け!」

警部がドアを開け二人に出て行くように道をあけた。


「ええ、もう会わないと思いますが…………朱鷺さんの事…………よろしくお願いします」

そう言いながら、部屋を出る前に…………少し振り返り朱鷺を見ると

二人は…………部屋を出た…………



***

夢を見ていた…………


それは空を飛ぶ鷹の夢


唯一無二の存在…………


敵も無く…………


味方も無く…………


孤独に空を飛ぶ鷹の夢…………


その翼を力強く羽ばたかせ、空を支配した王…………



だが、なぜ、鷹は独りなのか?


なぜ、鷹は孤独なのか?


そう考えていたら、鷹に異変が起きた。


鷹の翼が千切れていく…………


唯一無二の存在が、孤独の王が持っていた、唯一持つ信頼ものが…………


私は、地上に堕ちる羽を見ていた…………


どういう意味だろうか?


これは何を意味しているのだろうか?


なぜ、羽を失った鷹は、空に止まったのだろう…………

羽とともに堕ちず、空を飛ぶのだろう……




それを考えていて……ふと目が覚めた……

体を動かそうとしたが、腹部に痛みが走り…………寝ぼけていた意識がハッキリした。

周囲を見て…………暗さから夜であることを理解し…………臭いから、病院であることが分かった……

「なぜ……ここに……」

そこまで自分で口にしてから私は思い出した!!

「二人は…………痛っ!!」

立ち上がろうとして、再び腹部に激痛が走った。

緩みきった腹部に刺されたナイフの傷は致命的な損害を与えていた…………

とりあえず、現状を知らないといけないと考えた私は、ナースコールを押した。

だが…………なぜか、看護師から返事が無く…………ブツッと通話が切れる音がしただけだった。

「会話が無く来ると言う事…………」

最悪な状況を視野に入れて、私は考え…………

腕に刺さっている点滴を引き、自己暗示を開始した。



“苦痛など感じず、ただ動く、ただ生きる、ただ身を守る”

そう自分に言い聞かせる…………

そこで、病室の外から誰かが歩いて来る音と気配を感じた。

私はすぐにベッドから立ち上がり、ドアの死角へと行こうとしたが…………

腹部が訴える激痛に、無様に床に倒れてしまった!?

自己暗示の失敗?痛みで動く事が出来ない!危険だ!相手はもうすぐそこまで…………

そしてドアが開けられ…………

「鷹羽さん、どうしたんですか床で寝転んで?」

床から見上げるようにして、私が見た人物は…………新草さんだった……



***

「まったく、腹を刺された患者が、ここまで無謀な真似をするとは、親方様が聞けば、即拘束命令が出ますよ。」

新草さんはそう言いながら、床に倒れていた私を慣れた手つきで、担ぎあげるとベッドに横たわらせ、慣れた手つきで、点滴を変えた。


「お手数おかけします…………ですが…………なぜ、新草さんがここに?」

組織で看護師をやっている話は聞いたが…………

「それは、こっちのセリフだよ、なんで鷹羽さんとあろう方が、そんな傷を腹に一発お見舞いされるは、頭に怪我を負わされるは…………たるみすぎじゃない?」

それは…………言い返せない事だった


「運び込まれた時も、本当に驚いたんだから…………」

そう言いながら、新草さんが、私の着ていた患者服に手をかけ…………

「ちょっと!なにを…………」

「腹の傷が大丈夫か調べるだけよ~あらあら、良い腹筋~さすが~隠密課の元エース!」

そう言いながら、べたべたと触る…………

傷を見るだけと言っているから、私は耐えて、新草さんの触診を受けるが…………


「はぁはぁ…………はぁはぁ……」

息が荒くなる看護師に身の危険を感じ、抵抗をしようとしたが…………あれ?両手両足が……動かな…………


「いつの間に拘束を!?」

私の手足は、触診の間に枷をつけられ、ベッドに縛られていた!?

「何を暴れようとしてるの?これは診察なんだから…………ゆっくり天井のシミでも数えていれば、全て終わってるわよ!」

怖い!本気で怖かった!血走った眼が!

「どうせ、あの二人がいて、ご無沙…………痛!!」

私の眼の前で血走った獣が…………いつの間にか現れた、来訪者に背後から殴られ、動きを止めた。


白い長い髪を振るわせながら、その人物は立っていた

「何をしておる!少し待っておれと言っておったから、待っておったが、待てども、待てども、呼ばれぬから、来てみれば……この痴女!!」

年は…………楓さんくらいだろうか?

「いや、別に、そんなつもりじゃ…………ちょっと、悪戯をしたくなって…………」

いや、ちょっともなにも…………すごく怖かった

「そのような事を、次にしてみるのじゃ、御婆様に報告するのじゃから、覚悟するのじゃ!」

そう言われた新草さんは、急に慌てだし…………

「冗談だから、冗談だから、言わないで!」と謝りだした…………

この子の御婆様って…………そう考えていると

「親方様のお孫様です」新草さんが耳打ちした。

「へぇ…………そうなんで…………えっ!!!皇帝の!」あまりの驚きについ呼び捨てにしてしまった。

「そうじゃ、妾が御婆様の孫である事は、一部の人間しか知らんからのう、それにしても、御婆様を皇帝(こうてい)と呼ぶとは、何とも無礼な男じゃ」

孫娘はそんな私を咎めるように睨みつけるが…………一呼吸置いて

「妾の名前は皇帝(すめらぎ みかど)御婆様の後を継ぐものじゃ」

私はその言葉に驚いた

「皇帝を継ぐ!?組織の長の座を!!」

世襲制だったとはびっくりしたが、孫娘が継ぐって…………娘はいないのか?

「うむ、その為に今回の件は妾が受け持つ事になった

そのあいさつに来ただけじゃ……今はまだ眠るがよい!」

そう彼女が言った瞬間……瞼が重くなり———俺の意識は抵抗する暇もなく沈んでいった



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願う事は無自覚な幸福 @kisaragikanoto

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