蜜柑製の死

2023年6月18日

世の中には、幸と不幸があるらしい。

僕はその正体を知らない。

最近の考え方では。

それらは、物だろうか、それとも動きだろうか、と考えることにしている。

電気の正体は電子の流れだから、電気は物ではなくて、動き。

では、幸は？

不幸は？

どちらかといえば、物らしく、動きらしくはない。

けれど、それは「幸」や「不幸」という言葉について考えているからで。

その言葉が意味する内容を想像すれば、本当は動きらしいということが感じられる。

状態、が一番近いかもしれない。

世間では、物事を一般化することに忙しい。

幸や不幸というものを一般化できると考えている。

本当にそんなことができるだろうか？

どこにも同じ人間はいないのに、あの人の言っている幸こそが本当の幸だと。

信じられるのはなぜだろう？

痛快ではない。

愉快でもない。

素晴らしい考え方ではない。

今、チョコレートを食べて、コーヒーを飲んだ。

これは幸か？

少なくとも、僕にとっては幸だ。

しかし、ほかの人間が同様に感じる必要はない。

それは、チョコレートを食べて、コーヒーを飲む、という事象。

それは万人に理解されるはず。

それなら、その事象を、事象としてそのまま受け入れてしまえば良い。

それだけ。

それ以上は何もしない。