「鉄也は私にとってのヒロイン的な存在」

 水曜日。

 学校から自宅まで紅羽と一緒に帰って、紅羽は一度荷物を置いてから俺の部屋に来ることになっている。

 それと今日は紅羽の両親は仕事で遅くなるため、夕飯はこっちの家で食べることに紅羽は賛成した。

「……」

 鞄を机の方に置き。少し休憩をしてから着替え始めた。


 ダッダッダッ!


 勢いよく階段を登る足跡が聞こえ、紅羽が登場してきた。

「着替え終わった!」

「……はやっ」

 俺はまだワイシャツを脱ぎ終え、ズボンを下ろしたところでパンツが丸見えの状態だった。

「……おお」

 紅羽がこっちを眺めていた。

「エッチチだ!」

「パンツ姿でエッチだって言われてもな」

 男の下着を見てもな。

 紅羽がジッとこっちをみていた。

「……アニメの女の子の着替えだったら興奮するる?」

「する!」

「それと一緒。鉄也は私にとってのヒロイン的な存在で興奮するんだよ」

「なんだと……」

 紅羽に一杯食わされるとは、まさか俺がヒロインだったとは……。

 紅羽がそのままベットの方に横になっていた。

「鉄也早く着替えてゲームしよ」

 興味なさそうにこっちを見てた。

「……さっきのヒロインはどうした?」

「鉄也ヒロインは下着、見れたから十分。…………見すぎると嬉し過ぎて心臓が持たない」

「え……おう」

 紅羽が恥ずかしくなっていてこっちも恥ずかしいかった。

「……よし」

 普段着に着替え終えて、ゲーム機を起動した。

「紅羽なにやるんだ?」

「あっえっとね。車で操作するやつやらない?」

「車? あっペンタね」

 紅羽が指定してきたのはカーレースで2人で遊べるソフトのことでそれを起動し、もう一個紅羽用のコントローラーを紅羽に渡した。

「はい」

「ありがとう〜」

 紅羽が受け取り、キャラクターを選んでゲームを開始した。

 カウントダンがゼロになったと同時にアクセルを吹かしコースを走らせた。

 どんどん走らせて2周目を終えて、3周目のラストスパートに突入した。

「……ねえ鉄也」

「なに紅羽?」

 自分の画面のキャラクターを見るのに必死だった。

「私、今日はピンクだよ」

「何が?」

「下着」

「…………っ!?」

 下着!?

 

 ドンッ!


 紅羽が下着と言った瞬間コースアウトしてしまってタイムロスはなってしまった。

「急に下着の話をされて下着の話されてビックリしたんだが……」

「驚いた?」

「それはな。急に言われたんだから、まさか一位を取らせないと作戦だったとは」

「え、違う、違う」

 紅羽は首を左右に振っていた。

「違う?」

「うん……。さっき鉄也の下着みたのを思い出しちゃったから、鉄也の彼女でヒロインとして下着教えた方がフェアかなって思って今、言った」

「……っ」

 顔が真っ赤になっていたのがわかった。

「え、おう……。ありがとう」

「うん」

 またしてもコースアウトして3位という結果になってゴールした。

「……教えてくれてありがとうございます」

「いえいえ、こちらもヒロインになってくれてありがとうございます」

「……ふぅ」

 深呼吸をして気持ちを少し切り替えて紅羽とカーレースを楽しみ。夕飯を食べ終えてからもずっとゲームをしていた。

 夜8時を指し紅羽を家まで見送った。

「それじゃあ」

「うん。今日もありがとうね」

 紅羽が手を振りながらハイタッチをしてきた。

「おやすみ鉄也」

「おやすみ……」

 紅羽が家に入るのを見てから俺は自分の部屋へと戻っていった。

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幼馴染と普通の恋人 二髪ハル @2kamiharu

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