第27話転生者+キャラ紹介③

無事入学式が終わり、俺は3人とは別れ校舎へと向かう道のそばにあるちょっとした林に身を隠し、そちらの方を何かを探すかの様に見渡した。


「そろそろ主人公が、来るはずだけど……まだか?」


ヘン学の主人公カイは平民出身で、学園長がたまたまカイを見つけて、その後魔法の才能を見込んで、王立学園の2年へと入学させる事で始まるのだが、確か主人公は初日にもかかわらず遅刻して……


そんな事を考えていると、お目当ての黒髪黒目で日本人らしい顔立ちの人物が、額に汗をかきながら走って来た。


来た!主人公!


「やばいやばい!遅刻したぁぁぁぁぁ!!!」


そう言ってがむしゃらに走っていると、前方不注意でカイは誰かにぶつかり、カイとぶつかった人物は互いに尻餅をついた。

それにぶつかった相手は色々な書類を持っていた様で、それもその場に散らばってしまった。


「あなた!どこ見て走ってるの?資料がバラバラになったじゃない!」

「す、すいません!僕寝坊して……それで急いでて」

「そんな事言われても知りませんわ。どちらもあなたのミスじゃないですか!」

「すいません……」


おお!生でゲームのシーン見れた!

すげぇな!本当にまんまゲームと同じセリフ言うんだな!

…………けど、何か違和感あるんだよな。


いや、どこが変かと言われたら分からんのだけど、何か全体的に胡散臭いと言うか、芝居掛かっているというか。


その後も2人の会話を覗き見していたが、やはり少し違和感を感じる。


ちょっと試してみるか


そうしてアクトは林から出ると2人の元へと向かった。


「ルイス嬢どうかしましたか?そんなに怒っていると折角の可愛いお顔がもったいないですよ?」

「あ、アクト様!申し訳ありません。この様なはしたない姿を見せてしまい。」

「いいよいいよ」


そう言って俺は風魔法を使い、地面に落ちた資料を手元に集め、それをルイス嬢へと手渡した。


「はい、これ」

「ありがとうございます!」


そうして俺とルイス嬢がある程度会話をした所で、カイの方へと一瞬視線を送ると、何故そこにお前が……と言いたげな表情で驚くカイの姿があった。


なるほどな……


まだ確証は無いが多分カイの奴も転生者だな。


「それじゃあ俺はそろそろ行くよ。ルイス嬢もほどほどにね」


そう言って俺は2人から離れた。


しかし、カイが転生者となるとまずいな……

ゲーム本編のカイはめちゃくちゃ性格のいい奴だったから、女神から貰った能力を乱用しなかったが、転生者なら別だ。

どうせ奴は能力を使ってこの世界で酒池肉林の限りを尽くすだろう。


それを簡単に出来る能力を持っているのが、ヘン学の主人公カイだ。


本来ならカイの奴もうちで囲って、無闇に能力を使用しない様にするはずだったが、これは本格的にまずいな……


本編でもそこまで主人公の能力についての説明は無く、大体がエロシーンをエロくする為だけの設定だったが、その為だけにめちゃくちゃな設定盛りだくさんな奴が、その能力を日常活用し始めると本格的にヤバい。


どうする?

始末…………は無理だな。

何故かゲーム本編では戦闘中に、めちゃくちゃ能力を一切使って無かったが、カイには対人最強能力である時間を止める能力がある為、もし奴を殺す為にはカイが認識できる範囲外から、これまたカイが認識出来る速さより早く、そして一撃でやらなければならない…………。

何だよただの化け物かよ……


それなら権力で押し潰してやろうかとも考えたが、今度は催眠能力が厄介だ。

コイツを国王陛下にでも使われたら正直詰みだ。


その他エロ特化能力の数々があるが、特に警戒しなければならないのがこの2つだな。

いや〜本当に困ったな……。

どうしよう。


そんな事を考えながらアクトは、自分の教室へと向かって歩いた。




キャラ紹介③

ユウリ=エインズワース

アクト=ホワイトの婚約者にして常識人

https://kakuyomu.jp/users/nabetabetai/news/16817330657727722670

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