第2話転生特典はエロ本作成?

「くそッ!何でもっと早く気が付かなかった!気づける要素ぱ今までにも何度もあっただろ!」


ユウリ=エインズワースとの顔合わせを終え、ユウリが家に帰宅したのを見送って俺は、自分の部屋に篭りそう呟いた。


俺アクト=ホワイトは、俺が死んだ原因でもある【私立ドヘンタイ学園〜転生したら神様からチート能力を貰ってハーレム生活〜】に登場する悪役キャラで、主人公であるカイをいじめたり、婚約者がいるに関わらず他ヒロインにもちょっかいをかけた結果、主人公との魔法での勝負に敗北したのを皮切りに、婚約者のユウリ=エインズワースを主人公に寝取られたり、妹のシャーロット=ホワイトもいつの間にか主人公に取られたりと、自分の女を全てかっさらわれたあげくに、今までの所業を公の間で公開された事で国外追放までされる、ゲームをしててもそこまでやり返すような奴か?

と思ってしまうほど、のやった事に対して圧倒的に返って来た比重がデカ過ぎて、1周目をプレイしていた時は嫌な奴がボコられてスッキリしていたが、何周もして来ると悪役でもあるアクトにも少し愛着が湧き、よくよく考えてみれば仕返しはアクトの女を取っただけで良かったのでは?国外追放する様な事はしてないよな?

と思ってしまった。


実際ゲームでは、とあるヒロインを攻略する際そのヒロインが国家転覆しようとしていたのに、なんかなぁなぁで主人公のハーレムメンバーになってお咎めなしだったり、第一王子を殺害しようとしたヒロインも居たが、その後色々あった結果少し泣ける展開になって、これもなぁなぁになったが、それに比べるとアクトがやった事なんか、ちょっといけすかない奴をいじめた程度で、流石にその罰は重過ぎないか?と偶に議論に持ち上げられるキャラの1人だ。


「それで、ここがヘン学の世界だってのがわかった訳だが、これからどうする?主人公をいじめないのは大前提として、あんなヒロインに容赦なく転生特典で貰った催眠魔法やら時間停止魔法やら、その為エロゲ御用達エロい魔法をかける様な奴に、婚約者のユウリは兎も角、シャーロットだけは絶対会わせたくない。」


確か俺が覚えている限りでは奴はうちの妹に、触手魔法とか言う頭の悪い魔法でシャーロットの体を開発したり、認識阻害魔法を掛けてアクトの前でユウリと3Pをする様な奴だ、そんなクソ野郎がうちの可愛い妹を幸せにできるとは思えん。


「と言うか!今更だけどカイの魔法強くね?アイツはドヘンタイクソ野郎で息子に忠実で、エロい事以外の時はめちゃくちゃ紳士な奴だから大丈夫だけど、魔王すらワンパンできそうなレベルでやばい魔法盛りだくさんだぞ?いや別に魔王とかは居ないんだけどさ……」


俺はユウリと会ったキッチリとした衣装の上着をその辺に脱ぎ捨て、そのままキングサイズのベッドに倒れ込んだ。


「まぁでも本編が始まるのは今俺が12歳だから、高校入学からだから……3年は猶予があるのか、それまでには何とか対策を取らないとな。…………そうだ!」


こう言う時はお約束として、ゲームの内容を忘れない様に、日記にでもその内容を書き出すんだったよな?


そう考えたアクトは早速ペンと日記を書けそうな白紙の本を取り出し、ヘン学の内容を思い出しながらその内容を書き写した。


「………………よし!じゃねぇ!俺の馬鹿野郎!」


アクトが思い出せたのは、ふんわりとした大筋と大量にあるエロシーンだけだった。

結果その本は妹を含め周りの女性に対するエロい妄想を書き写した様な、見られたら不敬罪極まる内容の単なるエロ本へと成り下がった。

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