第五話 参戦


 戦いの様子を、真夜と朱音は少し離れた場所で見守っていた。


「何かすっかり蚊帳の外なんだけど!」

「そうだな。けどあいつらの狙いはあの鬼なんだから、好きにさせとけば良いだろ?」

「そう言うわけにはいかないでしょうが! あの鬼、きっと最上級妖魔に分類されるわよ? 霊器を持ってるからって、あいつでも勝てるかどうか分からないでしょ!」


 朱音の言葉に真夜は、確かに彼らだけでは倒しきるのは難しいだろうと考える。今の流樹は記憶にある彼よりも強いだろう。霊器はただの武器では無く、霊力の増幅器でもある。元々高い六家の術者の霊力を増幅するのだ。よほどの相手で無い限り負けることはないだろう。


 しかし目の前の相手はその例外である。それに……。


(あの鬼、攻撃を受けているのに、弱まるどころかどんどん妖気が強くなってやがる)


 流樹も気づいているだろう。妖気の流れもおかしい。髪の毛で隠れているが額の当たりから、禍々しい妖気があふれ出し、それが全身に回って行っている。それが奴を強化している。


「ああ、もう! 見てらんない! あたしも行くわ!」


 朱音も鬼の強さ、異常さを肌で感じたのだろう。流樹達だけではもう手に負えないと判断し、自分も参戦することにしたようだ。


「……来て、炎槍」


 朱音の右手に霊力が収束すると、炎が出現し激しく燃え上がる。その中から、美しい一本の真紅の槍が出現した。穂に当たる部分は、大きく鋭い刃である。


 槍自体が一種の宝石や美術品のような美しさを持ちながらも、磨き上げられ、極限まで研ぎ澄まされた強力な炎の霊力が宿る強力な武器である。


 朱音の炎霊器。強大な炎の力を凝縮した彼女の相棒。


「行くわ。真夜はここで待ってて。あれは流石に真夜の手に余るから」


 スイッチが入る。朱音の表情から、垢抜けた感じが消失し、戦う者の顔つきになる。


「わかった。気をつけろよ」

「ええ。しっかりここで見てて」


 一歩を力強く踏み出すと、身体能力強化により高速で赤面鬼に近づくとその身体に槍を突き立てる。


「はぁぁぁっっ!!」

「グルゥッ!?」


 突然の一撃に赤面鬼の身体が揺らぐ。同時に槍が肉体に食い込み、明確なダメージを与えた。真紅の槍の先端に貫かれた箇所には傷が生じ、さらに炎が体内へと解き放たれる。


「グォォォォォォォォッッッ!?」

「どう? あたしの槍と炎のお味は?」


 槍を引き抜き、一定の距離を保った後に、朱音は鬼へと尋ねる。


「邪魔をするな! これは僕の獲物だ!」

「あんた達だけじゃ、こいつは倒せないわ。意地張ってないで、あたしも加えなさい。じゃないととり逃がすか、最悪は死ぬわよ?」


 先ほどまで流樹と言い争っていた朱音とは打って変わり、感情的にならず、ただ淡々と事実を口にする。


 流樹もそれを理解しているのか、唇を噛みしめる。


「……いいだろう。だが邪魔だけはするな」

「ええ。そうするわ。連携をするのは難しいだろうから、お互いに好きにやりましょう」


 朱音はその場で膝を曲げ、腰を落とし槍を少しだけ引くと、そのまま目にも止まらぬ速さで突き出した。


 瞬間、槍から炎で作り上げられた別の槍が放出され、赤面鬼目掛けて襲いかかる。反応が間に合わなかった赤面鬼はその身体で炎の槍を受け止めることになる。


 身体を纏う妖気が切り裂かれ、燃やされ、さらにその身体に更なる傷と火傷を負わせる。


「……これでもまだダメね。やっぱり直接槍を突き立てないと無理か」


 忌々しそうに朱音は呟く。火野一族の炎は攻撃に特化している。朱音の場合も同じだ。


 さらに彼女は真夜にしてみれば色々と残念な所は多いが、火野一族の宗家にふさわしい実力者であり、霊器をも作り出すことが出来る天才少女なのだ。破壊力と言う一点で言えば、彼女は流樹を凌駕している。


 バッと朱音が左手を横に伸ばすと、彼女の背後に炎の塊が無数出現する。それらは形を変え、剣に近い巨大な炎の槍へと変化していく。


「行きなさい」


 短く命令し左手を鬼に向けると、炎の槍が一斉に投擲される。高速で迫る槍を鬼はその手で叩き落とそうとするが、腕に触れた瞬間、炎の槍は大爆発を起こした。


「ガァッ!?」


 激しい熱風と熱量を生み出し、爆発の衝撃と炎は鬼を滅せんと襲いかかる。


「何ぼさっとしてるの!? 近づかずに攻撃を続けなさい!」

「っ! ぼ、僕に命令するな!」


 朱音の攻撃の威力に思わず呆然としていた流樹達だったが、朱音の叱咤で再度攻撃を再開した。


 遠距離から鬼に近づかずの攻撃。鬼の攻撃手段は限られている。その肉体的強度や力は凄まじいが、近づかなければどうと言うことは無い。


 希に、妖術を使う鬼もいるが、強力な妖術を使う鬼は少なく、仮に使えたとしても使う隙を与えなければ良いだけの話だ。


 朱音も遠距離から、槍の突きや振り下ろしに炎の霊力を纏わせ、それを飛ばして攻撃している。相手が動きそうになれば、先ほどのように数を増やして足止めをして、流樹達の攻撃を当てさせ続ける。


 こうすれば、こちらに被害が無く鬼を圧殺できる。


(このまま押し切るわ。確かに最上級の妖魔は手強いかも知れないけど、こっちには霊器持ちが二人もいるし、あの鬼もまだ力に振り回されてる印象があるから、このまま多少時間をかけても、堅実に仕留める)


 朱音は油断も慢心も無く、鬼に対処しようとする。彼女は何も間違っていないし、最善の最適解を取っていると言っても過言では無いだろう。


 ただ、彼女に唯一の誤算があったとすれば、目の前の鬼が普通では無かった事。この鬼が急激に強くなった理由を考えることを後回しにしていたことであろう。


「グルルゥゥゥゥッッッ!!! グオォォォォォッッッッ!!!!!」


 鬼が絶叫した。直後、変化が訪れる。


 ドクン!


 鬼の身体が全体で鼓動したかのように跳ねた。


 額から妖気があふれ出している。怪しい黒紫色の光が輝くと髪が浮かび上がった。そこには人間の拳大の巨大な紫色の宝石が埋め込まれていた。


「何よ、あれ?」


 全員の動きが止まった。攻撃を続けていた朱音も流樹も、思わずその光景を眺めてしまった。


「グオォォォォォォッ!」


 赤かった身体が浅黒く変化していく。それに伴い、身体がさらに巨大になる。手の爪が伸び、口から見えていた牙もさらに長くなった。


 突然の変化。あり得ない。それはこの場の全員の感想だった。最上級の妖魔クラスの力があった赤面鬼が、一瞬にしてその上の階梯たる特級にまで強化されたのだ。


「グオォォォォォォォ!」


 咆吼を朱音達に向けて解き放つ。音が衝撃波となり、彼女達に向かい襲いかかった。


「くっ!」


 とっさに朱音と流樹は霊器を持つ手とは反対の手を前にかざし、霊力の障壁を作り出す。


 しかしその障壁は、あっさりと破壊された。


「うそ!? きゃぁぁぁっ!」

「うわあぁぁぁっ!?」


 衝撃波により、二人は後方にはじき飛ばされた。今のはただの咆吼では無い。妖気を上乗せさせた、恐るべき破壊の衝撃波だ。他にいた水波の術者達も為す術なく吹き飛ばされ、木々に身体を打ち付けて気を失っている。


(これってまさか、特級妖魔クラスになったんじゃないの? 覇級、超級に次ぐ、上位妖魔……。超一流の退魔師でも、単独での討伐が困難な化け物。嘘でしょ? 全然勝てる気がしないわよ)


 朱音の考えは正解だった。彼女が萎縮してしまうのも仕方がない。目の前の存在は特級の中でも上位に位置する存在だろう。


 朱音や流樹は決して弱くは無い。退魔師達が殆ど遭遇することがない、最上級妖魔でも朱音や流樹ならば条件や相性、仲間の有無によっては倒せるだろう。


 しかし目の前の存在は、そんな彼女達を持ってしても勝てないと思わせる程の化け物である。


「この化け物が! 僕の全力を喰らえ! 水龍瀑流破!」


 全霊力を水霊器に収束し解き放つ。膨大な水が圧縮され、巨大な一匹の龍の姿へと変化する。巨大な龍はその顎を広げ、赤面鬼に襲いかかる。


 だが……。


「ゴアァァァァァァァッッッ!」


 鬼のうなり声と共に、妖気が右手に収束していく。鬼は右手の拳を脇の下当たりまで引くと、そのまま龍に向かい突き出した。


 黒い妖気の塊が解き放たれると龍と激しくぶつかり合った。衝撃と轟音と水が弾ける音が響く。妖気の塊は龍を形成していた水を吹き飛ばし、辺りへとぶちまける。


 それだけに収まらず、威力の多くを殺されたとは言え、黒い妖気の塊は流樹に向かい飛来した。


「がはぁっ!」


 防御が間に合わず、妖気により流樹の身体が宙を舞う。そのまま彼は地面に叩きつけられ、意識を失った。身体が痙攣しているので、死んではいないようだが口からは血を流し、手足もおかしな方向に曲がっている。


(あの攻撃を相殺した? いいえ、威力はあの鬼の方が明らかに上だった。一撃の威力だけなら今はまだあたしの方が上だけど、相手の妖気はあんまり減ってないから、まだまだアレを使えるわね。……炎槍で霊力を増幅しても総量からして、こっちが負けてる。勝ち筋が見えない)


 苦悶の表情を浮かべる朱音。攻め手を何度も考え、最適な戦い方を構築しようとするが、相手の妖力が高すぎる。それに今、この瞬間も妖気が回復し、どんどん高まっていく。


(だめ、弱気になるな。諦めたら、そこで終わり。そうなったらただ殺されるか、生きながらに餌にされるだけ。それに……)


 ちらりと真夜の方を見る。彼は相変わらず、表情を変えずに妖魔の方を見ていた。


(真夜は無事。ふふっ、何よ。こんな状況なのに、全然怖がってないじゃない。やっぱり度胸はあるのね。あっ、まさか立ったまま気絶してるとか言うオチはやめてよね)


 と、とりとめの無いことを考えながら、再び赤面鬼へと視線を向ける。


(こんなことに巻き込んじゃったのはあたしだから、せめて真夜だけでも逃がさないと)


 仮令たとえ勝てなくても、最後の最後まで戦い抜いてやる。死ぬ時も喰われるなんてご免だ。自爆してでも、この身は鬼なんかにはくれてやらない。


(ふぅ……。行くわよ、朱音)


 覚悟を決める。息を大きく吸い、声を張り上げる。


「真夜! ここはあたしに任せて逃げて! こいつはあたしが死んでも足止めするから! あなたはこの事を火野一族に伝えて!」


 負けて死んだとしても、真夜が火野一族に伝えてくれれば、父や宗主が対応してくれる。ならば、悔いの残らない事をする。


(ああ、もう少し時間があれば、まだ伝えてない、伝えたかったことを言えたのかな。ははっ、これも未練かな)


 でももしそれを伝えて自分が死んだら、余計に真夜に嫌な思いをさせることになるかもしれない。それに自分もどちらの返事を聞いても、きっと後悔するだろうから。


(うん、これでいい。これでいいんだ)


 退魔師として活動する限り、いつ命を落とすか分からないから、毎日を精一杯生きてきた。真夜と出会ってからの日々は、本当に楽しかった。


 だから……。


(真夜だけは絶対に死なせない!)


 決意を胸に、炎霊器に霊力を込める。朱音の意思に呼応し、真紅の輝きを放つ。


 今まさに、朱音が突撃しようとしたその瞬間。


「ふぎゃぁっ!」


 一歩を踏み出した瞬間、朱音は鼻から見えない何かにぶつかって、変な声を上げながら、尻餅をついてしまった。


「な、何よ、これ!?」


 よく見れば、空中に光り輝く霊符が浮遊している。さらにそれには、黒い妖気の塊がぶつかり続けていた。先を見れば、あの鬼が、指弾のように指を弾いて、妖気の塊をぶつけている。


「この短期間でこれだけ成長して、あんな小技まで使えるようになったのか。鍵はあの額の宝石みたいな何かだな」


 いつの間にか、朱音の隣に真夜が立っていた。彼は鬼を観察しながら、その異常性を分析していた。


「ちょっと! 何で逃げてないのよ!? 逃げてって言ったはずよ!」

「馬鹿。お前を置いて、一人で逃げられるか。それにお前、死ぬ気だっただろ?」

「死ぬ気なんてないわよ。ただ勝てないとは思ってたから、最後は自爆でもして相打ちにでもしてやろうとって思ってただけよ」

「どう聞いても死ぬ気じゃねえか」

「う、うるさいわね! それよりもこの霊符って」

「ああ。俺の霊符だ。あっちの連中も治療はしてやった。まあ意識は失わせたままだけどな」


 真夜としては、今はまだあまり大っぴらに力を振るうところを見られては困る。特にこのような朱音や流樹が倒せない、化け物を相手にしているところを見せては、朱音はともかくとして流樹を含む水波の面々に見られては後々面倒な事になりかねない。


 だからといって死なれても困るので、治癒はしてやった。本当は怪我をする前に助けてやれたが、落ちこぼれの自分に助けられるのも癪だろうから、暖かく見守っていてやった。きちんと治療はしてやったのだから、文句を言われる筋合いも無い。


「こんな強力な防御霊術を真夜が?」

「あと周囲に結界も張り直した。これでこいつがどれだけ暴れても周囲に被害は無いぞ」


 四枚の霊符を起点に、周囲に結界を構築した。これで内部で何が起ころうとも周辺への被害は無い。


 結界により、周囲は異界へと移相した。退魔師の使う結界術は異界へと周囲を切り取り、同じ別の世界を作り出し、元の世界に一切被害を与えない様にするものだ。


 真夜のそれも同じ物だが、その強度、精度などは段違いであり、さらに真夜の展開した結界内では、妖魔の力を抑える事も可能だ。とは言え、特級クラスから上が相手では、あまり大きな効力は無いようだが。


(……それに、何かに見られているような感じもしたからな。何か、あるいは誰かが俺達を見ていた)


 この鬼が現れてから、どこからか、何者かの視線を感じていた。だからこそ、強力な結界を展開し、中の様子を覗けないようにしたのだ。


「えっ? で、でも真夜って、こんな強力な結界術なんて使えなかったはずじゃないの? そ、それになんだか真夜から感じる霊力が桁違いなんだけど」


 これ、あたしより多くない? いや、あたしと比べものにならないくらいあるんじゃない? と疑問を感じていた。


 真夜から感じられる霊力が、朱音の父や叔父である火野の宗主よりも多い気がすると彼女は感じた。何故今の今まで気がつかなかったのか。それは真夜があえて霊力を抑えていたのもあるが、霊符によって隠蔽していたからでもある。


「……男子三日会わざれば、刮目して見よってな」

「あたし、昨日も一昨日も真夜に会ってるんだけど」

「細かいことは気にするな。それと後は任せろ」

「細かいことなの!? 全然細かくない気がするんだけど!? それよりも任せろって。ちょっと! 正気なの!? あいつは特級クラスの力を持ってるわよ! あたしやあいつでも無理なのに、真夜は攻撃系の霊術が使えないじゃない!」


 朱音の言うとおり、真夜は攻撃系の霊術が今なお使えない。霊符を使って攻撃する手もあるが、残念ながら真夜の霊符には攻撃に特化した物は存在しない。


「そうだな。攻撃系の霊術は使えないし、この霊符も攻撃には向かない。けどあいつ程度に負ける気はしない」


 真夜の気配が変化する。内側からわき出る霊力が高まる。放出こそ出来ないが、朱音にはその膨大な霊力を感じ取ることが出来た。


 同時に真夜の周囲に霊符が何枚も浮かび上がる。


 枚数は八枚。結界を構築している四枚を含めれば、合計十二枚の霊符である。


 神造霊器アーティファクト十二星霊符じゅうにせいれいふ


 異世界に渡った際に、神が真夜の霊力を具象化して作り上げ、彼が進化させた唯一無二の霊符。


 十二星座に由来するというわけでは無いが、真夜の膨大な霊力を大量に蓄積し、遠隔操作する事も出来る。防御や結界、治癒などの効果も増幅する。


 さらに自らの身体に貼り付けておけば、それだけで自動で自身への攻撃を防ぎ、膨大な霊力を隠蔽する効果もある。


 一枚で、土蜘蛛の攻撃を余裕で防ぎ、あの強化された赤面鬼の攻撃でさえも、完全に防ぎきることが可能だ。さらに実体を持たない相手であれば、霊符が張り付くと浄化することも可能である。


 反面、実体がある存在に対しての効力は薄い。人間に取り憑いた相手ならば、実体があっても無理矢理引き離すことが可能だが、別段ダメージを与えるわけでは無いため、悪霊などにはともかく、妖魔のような存在に対しては有効打になり得ない。


「攻撃に使えないなら、どうやって倒すのよ!?」


 流樹の攻撃でさえも相殺されたのだ。朱音の全力の攻撃でさえ、通じない可能性が高い。だから朱音は声を荒げ、真夜に聞き返した。


「どうやってって、こうするんだよ」


 瞬間、真夜の姿がその場からかき消えた。


「っ!?」


 朱音が気づいた時には、真夜は赤面鬼の真正面におり、跳躍すると握った拳を全力でその顔面へと叩き込んだ。


「グガァッ!?」


 悲鳴にも似た叫びを上げながら、その巨体が傾いた。


「まだまだ!」


 一撃では終わらない。両の拳を相手の顔面や身体に幾度も叩き込む。霊力を収束した真夜の拳は、朱音の炎霊器の攻撃をも凌ぐ破壊力を持っていた。拳を叩きつけられるたびに、鬼の顔が苦悶に歪む。


「はぁっ!」


 最後に鬼の顎に向けて、強烈なアッパーカットを叩き込むと今度はその脳天に向けて、かかとを振り下ろす、所謂かかと落としで地面へと赤面鬼の顔面を沈めた。


「どうやって倒すかって、簡単だろ? こうやって霊力を込めた物理攻撃を、こいつに叩き込んでやるだけだ」


 単純でシンプルな答えだ。レベルを上げて物理で殴れば良い。ただそれだけのこと。真夜は一般的な霊力の放出はできないが、身体の中であれば収束させることも可能だ。


 拳や足に膨大な霊力を集めてやれば、それだけで圧倒的な破壊力を持つ攻撃に早変わりする。


「グオォォォォォッ!」


 だが赤面鬼もこれだけで終わるはずが無い。今までに無いダメージを受けたが、まだまだ戦える。この程度では終わるはずも無い。


 そんな赤面鬼に対して、真夜は殺気を解き放つ。


「!?」

「ちょうど良い物差しだ。こっちで俺がどの程度の妖魔相手に戦えるのか、お前で確認させて貰おうか。かかってこいよ」


 異世界を救った英雄の一人。守護者の称号を持つ男・星守真夜。その力が、妖魔に向けて解き放たれるのだった。


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